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212.インバウンドで起こりつつある、現地販売のグレー

212.インバウンドで起こりつつある、現地販売のグレー

2016年10月11日 (火) 07時00分配信 投稿日:16/10/11 07:00 icon_view 188view

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「実は厚労省関係者から『どうなっているのか』という問い合わせは入っている」。

さて、インバウンドによる爆買いという言葉はここ数年間ですっかり定着し、ブームの期間は過ぎ去って、ある程度浸透しつつあるのが現状だろう。けん引する中国人による旺盛な買い物は一息ついたものの、東南アジア方面からの訪日観光客は増加傾向を見せており、今後も日本国内での消費拡大に期待が寄せられているところだ。

薬剤師をはじめ、医療・医薬品産業もこのインバウンドによる恩恵は小さくなく、象徴的な一般用医薬品の大量購入に留まらず、富裕層を対象にした医療ツアーなども大変な人気を博している。先日取材した某県の大病院においても「外国籍の患者さんは少なくないですし、皆さん“相当持っている”という人ばかりです」と頬を緩めてコメントする。

ところが、こうしたインバウンドの副作用が母国等で発生しつつあるようだ。具体的には前述した一般用医薬品の問題で、メーカー関係者によると「個人的な転売が事業と言える規模になっている例もある」というのだ。日本国内においては一般用医薬品をはじめ、医療用医薬品も個人売買は禁止されているほか、サイト開設者にも規制が敷かれているため、主だった事案は存在しないが、まだまだ法的にグレーな国・地域は存在しているという。

個人的な売買とはいえ、販売している製品そのものは日本国内でもおなじみの製品。つまり、クレームがメーカーに入っている可能性もあるというから厄介な状態なのだ。さらにメーカー関係者が危惧するのは「例えば中国で健康被害が発生し、向こうの医薬担当機関に連絡が入り、その責任の所在について厚労省に問い合わせが入ったとき、メーカーとしてどのような対応をとっていいのか。突っぱねる訳にはいかないし、非常に頭を悩ませている」と吐露する。事実、打診レベルであるが、厚労省からインバウンドで一定のニーズがあるメーカーには連絡が入っており、それが冒頭のコメントであるという。

越境ECコマースは今後ますます盛んになってくる。その中で、どのように販売責任を担保するのか。今は“危ない橋をみんなで渡っている状態”だ。その一端が薬剤師などの専門家に及ばないことを祈るばかりだ。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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