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275.執拗な姿は広告より目立つ

275.執拗な姿は広告より目立つ

2018年01月03日 (水) 07時00分配信 投稿日:18/01/03 07:00 icon_view 373view

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もの忘れ改善薬として販売しているオンジ製剤への医療関係者(特に医師)からの風当たりが強い。この状況を象徴するように11月に開催された医薬品医療機器制度部会において、異様とも言える場面に出くわした。

既にご存知の方も多いと思うが、今回なぜ生薬成分であるオンジ製剤が、ここまで問題視されているのかについて改めて説明したい。一般用医薬品のエキス製剤の取扱いについては、平成27年12月に「生薬のエキス製剤の製造販売承認に係るガイダンス」で標ぼうできる内容について通知されているのだが、その中でオンジ製剤の効能は「中年期以降の物忘れの改善」として設定されたのだ。

この魅力的な表現により、製薬企業はこぞってオンジ製剤を活用した製品の上市に乗り出した。今年の春以降、わずか半年間で5製品も新発売され、そのいずれもが設定された効能効果である「中年期以降の物忘れの改善」を強く打ち出したプロモーションを展開している。

ヒット商品となれば、考えられるのが過剰な競争で、予想どおり以下のような売り言葉が店頭・ネット販売で飛び交った。「記憶機能の活性化」「脳神経細胞の増加や再生」「脳全体が活性化する」「既に忘れてしまった記憶を蘇らせる」など、明らかに法令から逸脱する内容が散見されたのだ。

確かに問題のある表現であるが、より異様に映ったのは検討会における医師委員の発言だ。物忘れと認知症の区別は国民にはできないし、そもそも生薬が物忘れに効くことについても疑念があることなどを述べたのち、このようなことを語った。「薬局で物忘れに効く薬が売っていることを先生は知らないのかと言われ驚いた。この製剤は国民を混乱させている。厚労省として反省、後悔していないか。現状認識を明確にコメントして欲しい」。

厚労省に釈明を求める姿勢は、検討会というより取調べと言えるようなもので、この追及を受け、担当者は「広告展開の状況を考えると如何なものと思う」と絞り出すように話すのが精いっぱいだった。

確かに一般用医薬品の効能効果の表現としては迂闊だったのは否めない。ただ、鬼の首を取ったよう追及する様は、改善を求めるというよりもっと違った要求を迫っている姿に思えた。国策として定められたセルフメディケーションの推進であるが、やはりハードルは高いと言わざるを得ないだろう。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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