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296.要件に振り回される悪癖

296.要件に振り回される悪癖

2018年05月30日 (水) 07時00分配信 投稿日:18/05/30 07:00 icon_view 207view

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日本医療機能評価機構が展開している「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業報告」について、予想外の出来事が発生している。

その理由は非常に簡単で、平成30年の調剤報酬改定で新設された「地域支援体制加算」の要件のひとつに「医療安全に資する体制・取組実績」が設定されたことに影響されている。この効果は爆発的なもので、それまで参加薬局数は1万数千軒程度というものであったが、この要件が明らかになって以降、申し込みは急増。あまりに増える申し込み件数に機構は苦慮し、2月下旬には公式ホームページで「4カ月待ち」という状況を報告する事態まで発展している。

現在は多少落ち着いているとのことであるが、まさに駆け込み需要となった次第だ。同機構は見込みでは、2万5000軒を超える可能性があるという。こうした露骨な動きに対して厚労省の“狙い通り”に動く業界の素直さを指摘する一方で、その主体性の希薄さも問題視している。それを立証するように厚労省関係者は「これまで医療安全に貢献する意識が低すぎた結果。算定要件に入ったから、登録が急増しましたという実態の意味について、業界は真剣に考える必要があるのではないか」と苦言を呈する。

その一方で、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業報告の制度稼働当初から、積極的に参加登録を進めてきた企業もある。調剤薬局大手の日本調剤は、5年以上前から同制度への参加を指示し、多くの店舗が参加薬局として登録を済ませている。機構に話を聞いたところ、やはりトップダウンが円滑なチェーン薬局の強みが発揮されたのではないかとの認識を寄せる。

決して同社の肩を持つわけではないが、同社は参加薬局が少ないとの呼びかけにいち早く応じ、積極的に登録の号令をかけていた。実際のヒヤリ・ハット報告件数は不明なところであるが、こうした先手を打っているところが、業界の先陣を切っている企業である所以だろう。

登録は順番待ちの状況にあるが、実際の算定に求められる体制としては31年4月。従って4カ月待ちでも十分間に合う計算だ。何より実際のヒヤリ・ハット報告が行われることに期待したい。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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