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314.鼻腔投与というアクセス

314.鼻腔投与というアクセス

2018年10月03日 (水) 07時00分配信 投稿日:18/10/03 07:00 icon_view 42view

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ワクチン接種へのアクセスについて、日本の医療制度に課題があることは、一般生活者にほとんど知られていない。とりわけインフルエンザに対する予防接種に至っては、「後進国と言っても差し支えない」(感染症専門医師)と発言されるほど、投与及び供給体制の不備が指摘されている。

釈迦に説法を承知で書くが、日本におけるインフルエンザワクチンは1種類のみだ。米国は4種類が認められ、注射によるワクチン接種のみならず鼻腔内噴霧型も存在する。製造方法も遺伝子組み換えなど複数認められており、医療保険制度の違いはもちろんあるが、やはり日本の1種類のみというのは違和感を抱かざるを得ない。

背景には行政の失策がある。1990年代にインフルエンザワクチンの接種を任意に切り替え、わずか数年で全盛期の20分の1にまで投与機会が縮小した。これにより肺炎とインフルエンザによる罹患者・死亡者数が急増し、1990年から2000年の10年で4倍にまで膨れ上がった。2000年代に入ると方針を改め、ワクチン接種を推奨する広報を積極的に行った結果、関連死亡者は激減するという事態を辿った。

また、米国で使用されている鼻腔内噴霧のインフルエンザワクチンに脚光が集まる。前出の医師もその投与方法の手軽さから、日本での使用にも期待感を込める。

その一方で、鼻腔投与というアクセスは、医師にとっては好ましいことだけではない。既に米国では注射による予防接種は医師以外の医療職にも認められており、この鼻腔内噴霧はこうした議論の呼び水になりかねない。

医師の懸念はわからなくはないが、インフルエンザは肺炎や基礎疾患における重症化リスクを高めることは臨床研究でも明らかだ。ポジションに捉われない、積極的な議論が行われることを願ってやまない。


著者:薬業界を幅広く取材する中堅ライター

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