新着記事・レポート

カテゴリーを選択

ストレス対策

<<前の記事へ

次の記事へ>>

17.心配症のしくみと対処法

17.心配症のしくみと対処法

2014年06月12日 (木) 07時00分配信 投稿日:14/06/12 07:00 icon_view 388view

お気に入りに登録

お気に入りに登録

icon_view 388view

ご相談をお受けしていると、あれもこれも心配しては不安になっている方をよく見かけます。心配症の方は、さまざまなことについて「~しなければダメだ」「~してはいけない」などと思いこんで自分を追いつめて苦しんでいることが多いと思います。

「~してはいけない」の代表は「失敗してはいけない」、他にも「嫌われてはいけない」「怠けてはいけない」などがあります。これらはいずれも自分を苦しめる思いこみなので、気づいたら手放す練習をするようにしましょう。

具体的には、「~してはいけない」を「~してもいい」と言い換えます。たとえば、「失敗してもいい」「嫌われてもいい」「怠けてもいい」など、本心からそう思えなくても、あえて口に出して言うようにしましょう。言い続けることで、じわじわと少しずつ潜在意識に沁みこんでくるはずです。

では次に、こうした思いこみをどう身につけてしまったかについてお話ししたいと思います。

生まれたばかりの赤ちゃんに思いこみはありません。つまり、思いこみというのは後天的に、主に養育者との関係のなかで獲得されていくものなのです。性格は変わらないとあきらめている方もいるかもしれませんが、後天的に身につけたものに不都合があった場合は、練習すればいくらでも後から修正可能です。

人は成長するにつれ、自分と他人の区別ができるようになり、「私は私」「あなたはあなた」と自分と他人に境界がもてるようになります。これが健全な発達です。しかし実際は、自他の境界があいまいな人が非常に多いと感じます。原因の多くは、生育歴において親自身の境界があいまいなため、人間関係の基本となる親子関係のなかで境界を育ててもらえなかったことにあると思います。

典型的な例は、親が過干渉や過保護、心配症などによって子どもが自分ですべき選択や決断を代わりにしてしまい、「あなたは私」「私はあなた」のような母子一体の状態があたりまえになってしまっているものです。


親は子どものためによかれと思って先回りしてあれこれ世話を焼いているのでしょうが、自分で失敗して立ち直る経験は、自分の選択の責任をとるという大人になるためにとても大事で必要な体験です。こうした貴重な機会を奪われてしまうと、子どもは失敗に対する耐性を育てることができません。耐性がないと、失敗することがとても恐ろしくなり、できるだけ失敗を避けようとしますが、避け続けているかぎり失敗に対する耐性はつかず、よりいっそう「失敗したらどうしよう」とビクビクするようになってしまいます。

また、心配症の親は本来子どもが自分ですべき選択する機会も奪っています。選択には責任が伴いますが、親が決めたことに従えば親のせいにできるため、責任をとる機会も同時に奪っていることになります。

どんなことも、経験がないとどうしていいかわかりません。まして、失敗への耐性もないとなれば、恐ろしくてとても未知のことになど挑戦する気になれないでしょう。こうしてどんどん不安だけが膨れあがり、実際には何もできず自信が低下する一方という悪循環に陥ってしまうのです。

あるいは、親がとても批判的で子どもが言うことについて何かとケチをつけたり否定したりするのも親が子どもの境界を浸食している例ですが、こうしたケースも子どもが親の顔色をうかがうようになったり自分に自信をもてなくなったりして不安を感じやすくなります。

さらに、親からだけではなく、いじめの体験も自己否定感を助長します。共通しているのは安心感の欠如です。子どもの頃にありのままを受け入れられたという安心感や自己肯定感が得られていないと、その後自信をもちにくく不安になりやすくなってしまいます。

しかし、今から親を責めても現状が変わるわけではありません。前述したように、後天的に獲得したものに今不都合があるなら、自分の意思で練習して変えていきましょう。

心配症を克服したければ、ことあるごとに「失敗してもいい」「最悪失敗してもなんとかできる」と自分に言い聞かせてあげると同時に、小さい失敗・挽回体験を実際に経験して経験値を上げていきましょう。

何か小さい失敗をしたとき、それがなんとかなれば「なんとかなるじゃん」「できたじゃない」と自分に声をかけてあげましょう。失敗したことを責めるのではなく、挽回できたことをほめる練習をしてください。


完全な人間はいないのですから誰でも失敗するのはあたりまえ、失敗するのは人間として当然の権利なのです。問題は失敗することではなく、どうおとしまえをつけられるかということ。誰かに迷惑をかけたときは、まず謝り、できるかぎりのフォローをする。フォローのしかたがわからなければ勝手に考えないで相手にどうしてほしいか聞き、できることを誠実に行いましょう。それが責任をとるということです。どんなに責任を感じても、結局は自分のできる範囲のことしかできないので、責任をとることを必要以上に恐れる必要はありません。

失敗した経験がないと、一度失敗したら人生が終わってしまうような気がするものです。しかし、失敗しても人生は終わりません。一瞬終わったかに見えることもあるかもしれませんが、実際には終わっていません。失敗しても人生は続くし、いくらでもやり直しができます。たとえば、初めての失恋と2回目以降ではダメージがかなり違うという経験をもつ人は多いのではないでしょうか。

失敗はしないほうがいいかもしれないけれど、してもいい。失敗してもなんとかなる。そして失敗から必ず何かを学ぶことができる。それが自分の成長になる。これを何度も自分に言い聞かせてあげましょう。

他の思いこみについても「嫌われないほうがいいけれど、嫌われてもいい。嫌われてもなんとかなる。」などと自分に言い聞かせてあげましょう。大人になれば自分の意思で自由に動くことができるので、本当に苦痛であればその環境から離れることも選択できます。今の環境に執着しすぎるとかえって不安を強めてしまいます。

たくさん心配してものごとが解決するならいいですが、残念ながらどんなに心配しても事態は変わらず、自分の不安が増すだけです。不安を過剰に感じないよう、過去や未来のことばかり考えないで、今起きていることや今自分が望んでいること、今自分ができることに目を向けてください。「今」に集中すれば不安は必ず激減します。

不安の対処法については以前の記事もどうぞ参考にしてみてください。


この記事について/著者:藤井雅子(心理カウンセラー)

Good4

コメントする

コメントする

コメント

回答:1件

記事・レポート(1335件)

show

2017.09.13 new 259.“要注目”検討会での方向性 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.09.07 91.先生 【世塵・風塵】

2017.09.06 258.この表現に耳を疑った 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.08.30 257.言葉の印象が事の重大さを遠ざける? 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.08.23 256.先取りしていた環境省の資料には 【薬剤師業界のウラガワ】

もっと見る

業界ニュース(19935件)

show

アンケート

show
ただいま、募集中のアンケートはありません。

もっと見る

セミナー情報(1件)

show

ブログ(5648件)

show

求人情報

show

よく見られている
新着記事・レポートランキング 集計期間:09月12日~09月19日

もっと見る

よく見られている
薬剤師のQ&Aランキング 集計期間:09月12日~09月19日

もっと見る