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『昔からの家庭薬』2.胃腸の症状

『昔からの家庭薬』2.胃腸の症状

2013年02月22日 (金) 09時00分配信 投稿日:13/02/22 09:00 icon_view 5157view

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「昔からの家庭薬」シリーズの2回目です。
第1回の「風邪の症状」 では、テレビのCMでよく見かける製品や、懐かしい製品に出会えたのではないでしょうか。その製品の歴史や、代々作り続けているメーカーの製品への思いが読み取れましたか。
第2回は胃腸の症状編です。
薬局の店頭には、胃の不調を訴えるお客さんが多くいらっしゃいます。でも、実際に不調を訴える箇所を押さえてもらうと、胸部に近い場所であったり、下腹部であったりします。そして不調を表す言葉にも「おなかがすいた時」「食後」「重い感じ」「キリキリ痛い感じ」などさまざまです。胃腸薬を選択する場面では、情報を聞き取る技術と医薬品に関する知識が重要ですね。
今回は、成分を少しづつ変更しながらも、時代を超えて愛されている胃腸薬を紹介します。

 

■目次


日野百草丸/日野製薬株式会社
大草胃腸薬/大草薬品株式会社
御岳百草丸/長野県製薬株式会社
ピーマTP健胃薬/三宝製薬株式会社
イスロ錠/ゼネル薬品工業株式会社
正露丸/大幸薬品株式会社

日野百草丸


日野百草丸   「日野百草丸」は、主薬のオウバクエキスにゲンノショウコ末、ビャクジュツ末、ガジュツ末、リュウタン末、センブリ末を配合した苦味健胃薬です。
主薬のオウバクエキスは、ミカン科落葉性喬木のキハダの樹皮(内皮)を乾燥させて、水で煮出し、煮詰めて作りますが、その特長は何といっても強烈な苦味にあります。オウバクのこの苦味が、唾液や胃液等の分泌を促し、消化を助け、胃腸の不快な諸症状を改善します。
「日野百草丸」は、このオウバクエキスに5種類の粉末生薬をバランスよく配合し丸剤として仕上げますが、最後のコーティングにオウバクエキスチンキを施しています。製剤のコーティングには、無味無臭または甘さを感じるコーティング剤を用いるのが一般的と思われますが、「日野百草丸」は、あえてオウバクの苦味を施し、天然の生薬オウバクの苦味健胃作用を活かすようにしています。
長い歴史を持つ伝統の生薬製剤は、人々の経験と知恵により作られ今日まで受け継がれてきた薬です。生薬本来の自然の力(薬効)を活かした生薬製剤が、現代において、あらためて見直されています。

大草胃腸薬


大草胃腸薬   『大草胃腸薬』の原型は1934年(昭和9年)に発売を開始。信州長野の大草家に伝わる家伝薬をルーツとしています。当初は散剤の袋入だけでしたが、その後袋を缶に変更、さらに錠剤、顆粒剤を相次いで追加発売しました。有効成分の処方、配合量はいずれも同じです。
胃腸薬のニーズは時代により移り変わっています。経済成長期には猛烈サラリーマンの暴飲暴食による二日酔いや消化不良が主でした。しかし現在では長引く経済の低迷から過度のストレスによる胃炎や胃痛、胃酸過多による胸やけが主なニーズとなっています。また高齢者が多くなり加齢に伴う機能性胃腸症、逆流性食道炎などの病気も増えました。
『大草胃腸薬』はストレスに効く8種類の健胃生薬に天然由来の制酸剤、消化剤を配合。機能性胃腸症の三大症状である「もたれ(胃蠕動低下)」「胃酸過多」「胃痛」に優れた効果を発揮します。

御岳百草丸


御岳百草丸   「御岳百草丸」の主成分はオウバクですが、オウバクは縄文時代の遺跡からも保存が確認されており、日本最古の生薬といわれています。主成分のベルベリンは黄色ブドウ球菌、赤痢菌、コレラ菌等に抗菌作用があり、腸内で悪玉菌抑制効果を発揮(日局オウバク参照)、その後体内に吸収されることなく排泄されるため、継続的使用にも安全性の高いアルカロイドです。人は食物から栄養を摂取するため、経口免疫寛容により雑菌も吸収してしまうリスクがあり、腸内環境を整えておくことは健康への第一歩といえます。
製剤の苦味健胃成分は消化管の働きを活発にしますが、胃酸には何ら影響を及ぼさず、ストレスによる胃の不快感や胃痛にも効果を発揮、またスナネズミによる動物実験ではH.Pyloriに対する抑制効果も認められています。

ピーマTP健胃薬


ピーマ   「ピーマTP健胃薬」は、医療用で使用されていたテプレノンと健胃作用のある生薬3種を配合した健胃薬です。テプレノンは胃粘液を増加することにより胃粘膜を保護し弱った胃を助け、生薬エキスのソウジュツ、コウボクは胃の働きを高め、胃もたれなどの症状を緩和し、カンゾウは胃粘膜を修復し、胃の痛みなどを緩和します。
新薬と生薬の特長を生かしバランスよく処方された「ピーマTP健胃薬」は、ストレス、暴飲暴食、加齢に伴って弱った胃の働きなどを整える現代に適した健胃薬です。剤形は顆粒剤で、服用後サッと溶け、メントール味で後味もよく、スッキリと飲みやすい製剤設計となっています。
この「ピーマTP健胃薬」は承認基準外処方及び承認前例に1成分を加えたため承認が下りるまでに多くの時間と労力を費やしました。そのためか分かりませんが今のところ先発品以外でテプレノンが配合された健胃薬は他に見当たりません。

イスロ錠


イスロ   イスロ錠はセンブリ末、胆汁末、及びデヒドロコール酸が配合された健胃消化薬です。センブリ末は日本産、胆汁末は熊胆を製造する場合と同じ手法で、牛の胆汁を乾燥したものでオーストラリア産の牛から製造されたものです。センブリは日本の民間薬であり、苦味健胃薬や整腸薬として日本人に長く愛用されてきました。それは日本産の生薬が日本人の体質に合っていたからだと思います。このセンブリに、現代人の脂肪分の多い食生活に合う消化機能を持たせるため、胆汁末とデヒドロコール酸を配合した健胃消化薬がイスロ錠です。センブリ末のような生薬末を配合すると、打錠成形性が悪く、打錠障害が起きます。また、胆汁末のような吸湿性の高い生薬成分を配合すると崩壊性が悪くなり、崩壊遅延を起こします。崩壊性と結合性を両立させ、しかも高齢者が服用しやすいように直径6ミリの小さな錠剤を目指したため、製剤化には工夫を要しました。

正露丸


正露丸   『正露丸』は、1902年に中島佐一薬房が「忠勇征露丸」の売薬営業免許を取得、日露戦争後に日本軍が「征露丸」を製造しの頃に露国(ロシア)を征伐することと将兵の士気高揚の為に「征露丸」と名づけ、将兵全員に服用を命じていたと言われています。極寒の戦地で冷えやストレスによる下痢や腹痛で悩まされていた将兵にとって、お腹を守る重要な使命を担っていたと思われますました。その後、『正露丸』と名前を変え、100年以上にわたって愛用され続けています。
『正露丸』の効き目の秘密は、独特のニオイの素である主成分 木クレオソートにあります。木クレオソートは、ブナ、松、スギなどの樹木から得られる自然の恵みによる透明の液体です。
大幸薬品では、木クレオソートの新たな薬理作用として、大腸の動きを正常に戻し、腸内の水分バランスを調整することを解明しました。
黒い丸剤「正露丸」と白い糖衣錠『セイロガン糖衣A』があり、食あたり・水あたり・消化不良による下痢・吐き下し、ストレス・冷え・かぜなどで起こる下痢・軟便といった日常起こるお腹のトラブルに優れた効き目を発揮します。

 




著者:坂口眞弓

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