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昔からの家庭薬

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『昔からの家庭薬』5.その他

『昔からの家庭薬』5.その他

2013年05月29日 (水) 09時01分配信 投稿日:13/05/29 09:01 icon_view 3770view

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昔からの家庭薬 第5回です。
家庭薬はロングセラーの宝庫です。どの商品にも物語があり、代々引き継がれた歴史があります。
今回登場する家庭薬は、きっとご存知の方も多いはずです。
江戸時代には秘薬として作られていた救命丸は、その製法は代々長男だけに口伝され、調合のときは、身体を清めた後、当主以外近づけない離れ家で行われたそうです。
下呂膏は岐阜県下呂温泉の奥深い自然の中、接骨医 奥田又右衛門の施術で使用されてきた膏薬だそうです。
大東製薬工業が昔製造していたチョコレート味の虫下し、こどもの頃、薬局の戸棚に陳列してあり、親に隠れて食べたことを思い出しました。
日本初の技術でクマ笹からササヘルスという医薬品をつくった大和生物研究所は、蓼科高原にある工場敷地内に6000坪の「蓼科笹類植物園」を併設しているそうです。全体が回遊式の数奇屋庭園に整えられているそうで、一般に公開されると嬉しいなと思います。

■目次


宇津救命丸/宇津救命丸株式会社
ササヘルス/株式会社 大和生物研究所
奥田家下呂膏/株式会社奥田又右衛門膏本舗
阪本漢法の八味丸300A/株式会社 阪本漢法製薬
トノス/大東製薬工業株式会社
歯痛剤新今治水/丹平製薬株式会社

宇津救命丸


1   宇津救命丸は、乳幼児の夜泣き・かんむし・胃腸障害に効く小児薬。4百年以上前に創られ、日本で一番長く使われている医薬品です。昔から乳幼児は泣くのは当然ですが、実は育児ノイローゼの一番の原因は、夜泣きやぐずりなのです。また、夜泣きは一過性だから、その期間だけ我慢すればいいと思う親も多いのですが、夜泣きによって乳児や両親が睡眠不足になると、ホルモン分泌や自律神経のバランスが崩れ、免疫力の低下を招きかねません。特に乳児は、生まれた時から持っている免疫力が、ちょうど夜泣きの始まる生後6ヶ月頃から切れてくるのです。この夜泣きやぐずりを、睡眠薬や精神安定剤を使わずに治すのが、生薬製剤の宇津救命丸です。8種類の生薬成分が、興奮した自律神経を鎮め、胃腸の働きを正常化し、身体全体のバランスを整えます。保存剤などの合成成分は含まず、作用は大変おだやかで、生後3ヶ月から服用出来ます。小さな粒で少ない服用量も特徴です。

ササヘルス-S


2   ササヘルスは、クマ笹を原料として製造し、一般の薬局、薬店で販売されている医薬品です。「口内炎」「口臭、体臭除去」「疲労回復」「食欲不振」でお困りの方からこれらの症状に"潜む病気や原因"に対しても有効な医薬品でもあります。つまりはササヘルスの効能効果だけではなく、病気にならない身体づくり、体の中から原因をとっていくのに役立ちます。
「ササヘルス」の「口内炎」への効果では、さらにはがん治療が影響するケースなどもあり、クマ笹の粘膜保護・修復、抗炎症、抗菌作用などが相乗的に働いて、「口内炎」による食欲不振を改善し、私達の身体に備わっている自然治癒力を高めながら有益に働くと考えます。工場には蓼科笹類植物園を併設し、現在もクマ笹の様々な効果の解明を目指し、笹の研究をさらにすすめているそうです。

奥田家下呂膏


3   下呂温泉に伝わる伝統薬で中部では高齢者は知らない方はいない位ベストセラーです。年配の愛用者からの問合わせに窮し、中身を見たことがない若い薬剤師さんからお客様相談室への質問がよくあるそうです。下呂膏は和紙に生薬を塗り伸ばした貼り薬。サロンパスやトクホンの原型で、1枚が25センチもあり自由にカット可能。奥田又右衛門が代々接骨医であるため、伸縮性がなく適度に固定でき(テーピング作用)、通気性もよい美濃和紙を現在も使用しています。下呂膏には黒・白・緑があり、昭和時代初期から続く黒は、貼り跡が肌に残ったり衣服に付着するのも特徴のひとつで、初めて使用された方はとてもびっくりされます。そのため同じ効能で貼り跡が目立たない白(白光)を40年程前に発売。黒の外箱には、初めて使用の方は白か緑から使用することをあえて奨める注意書きがあるほどです。冬にはあかぎれ膏(貝殻に入った黒い膏薬)の代わりに使用される例が今でも根強く残っています。

阪本漢法の八味丸300A


4   『阪本漢法の八味丸300A』は、1982年(昭和57年)より販売された体の弱った機能を補う漢方薬です。
八味丸とは、漢方原典「金匱要略」に初めて収載された処方で、そこに「八味丸は八種の生薬を粉末にして蜂蜜で練って丸剤にせよ。服用するときは酒とともに飲む。」と定められています。処方・製法は、水分代謝調節作用のある沢瀉や茯苓などを含む八種の生薬に加え、脾胃剤の「蜂蜜」、気剤の「酒」という、二種を加えることで薬効をしめすという漢方処方学に基づき処方・製法が考えられています。
現在、広く一般に流通している八味丸は、生薬成分を抽出したエキスを使用した錠剤・顆粒剤・液剤が主流です。しかし、『阪本漢法の八味丸300A』は、地黄にアルコールを加え蒸した「熟地黄」を加えた八種の生薬に蜂蜜を加え、更に丸剤製造技術により工業化生産に合った製剤設計になっていて、漢方原典の指示を再現することに強いこだわりを持った丸薬となっています。

トノス


5   昭和24年。劣悪な衛生・栄養事情のなか、当社は学童衛生会という社名で創業し、チョコレートにサントニンを配合した駆虫薬や総合ビタミン剤をつくっていましたが、衛生事情の改善と大手メーカー品の市場導入で、事業の見直しを迫られました。
昭和30年代後半、「独自性があり、末永く役立つ薬」という方針のもと、「トノス」をはじめとする現在の製品群になり、社名を大東製薬工業に改めたそうです。
「トノス」は、テストステロンに局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤を配合した軟膏剤で、ギリシア神話を参考に日本語の「殿」をかけて命名しました。男性更年期障害やEDに対する男性ホルモンの補充のほか、特に塗布部の触覚鈍化による射精遅延効果が好評で、1964年の承認から約半世紀にわたり、重篤な有害事象もなく300万本を超える実績を積んでいるとのことです。その調製は繊細で、今も昔ながらの擂潰・混合製法による少量生産を守っています。

歯痛剤新今治水


6   「歯痛剤新今治水」は、キャンフェニック処方(カンフル・フェノール・アルコールを配合)を応用してつくられた歯痛薬です。
「今治水」は、明治20年代にはすでに"今、治る歯くすり"として、歯痛薬の有力商品に育っていました。当時の処方は龍脳(りゅうのう)、チョウジ油、甘硝石精(かんしょうせきしょう)、阿仙薬(あせんやく)チンキ、エーテル精(せい)等を主薬としていました。またこの頃、洋薬の渡来とともに伝わったガラス瓶包装が医薬品に繁用されるようになり、その代表的なものが「今治水」の薬瓶であったと伝えられています。
「今治水」の処方はその後、半世紀もの長い間ほとんど変わることなく販売されてきましたが、より使用感の良い製品が求められるようになり、大阪歯科大学の外海啓一教授の指導により新処方が作られ、製品名も「歯痛剤新今治水」として、昭和43年にほぼ現在の処方の製品が誕生したそうです。

 

著者:坂口眞弓

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