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5.薬局薬剤師からスポーツファーマシストを視る

5.薬局薬剤師からスポーツファーマシストを視る

2013年11月07日 (木) 09時01分配信 投稿日:13/11/07 09:01 icon_view 231view

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~薬局としての取り組み~


■自転車との出会い

私は小学校の頃にサッカー、中学でバスケットボールをしていたくらいで、ガチガチのアスリートというわけではありませんでしたが、就職してからロードバイクを知人から譲ってもらって、自転車に魅了されました。
それまでは車中心の生活でしたが、自分の脚でペダルを漕ぎ、坂道を登り、車の窓から見落としていた景色を拾い集めながら、徒歩では行けないところまで小さな旅に出る。それを楽しみに休みの日のほとんどは自転車に乗って走り回っていました。


■自転車競技への興味

自分で自転車に乗るのと同時に、ツール・ド・フランスなどを代表とした自転車のレースも興味をもつようになりました。23日間で約3300km、しかもアルプス山脈などを越える高低差2000m以上の上り下り含めたコース。超人的なパフォーマンスの選手たちが様々な駆け引きをしながらゴールを競い合う姿は私の心を鷲掴みにしました。
自転車競技の歴史に触れた時、自転車競技はドーピングと深い関係に有ることを知りました。自転車はドーピングによる初の死者が出た競技とも言われており、また様々な種類の薬がその後も使われたと考えられています。
記憶にあたらしい所ではツール・ド・フランス7連覇の英雄、ランス・アームストロング氏、またその他の選手においてもドーピングに関わる問題において常に数多くの話題が上がります。


■公認スポーツファーマシスト制度との出会い

その中でドーピングに関わる公認スポーツファーマシストという資格が有ることを知り、薬物に関する知見を深めたいと考え、その申込をしました。
申し込みをしたきっかけの一つは自転車からですが、もう一つの理由として、スポーツ業界に薬剤師が入っていくことにより、新しいチャンスが生まれるのではないかとの思いもありました。薬剤師の職能拡大などの声がある中、スポーツに対して薬学的知識を還元することで新しい仕事になるのではないか、そのための勉強のチャンスだという未来も描きました。


■薬局での取り組み

1.相談者の確認
国民体育大会ブロック大会の会場で江戸川区薬剤師会が行った調査によると、来場者の86%はスポーツファーマシストを知らないというデータがあります。現状では選手の方から積極的なドーピング相談をするというような状態ではないと考えられます。
来局時の服装などから推測出来る場合もありますが、基本的には初回問診票にドーピングの検査に関する記述を入れる、服薬指導の際にきちんとしたヒアリングを行うなどの対応をしたうえで、検査対象となりうる選手に対してはお薬手帳の体質欄などに「ドーピング検査の可能性」を記述してもらうなどの案内が必要です。その際にアレルギー歴や副作用歴を確認するのと同時に、併用薬も確認するかと思います。その中に禁止物質が含まれていないかもしっかりと確認したいものです。

2.薬局内在庫の把握

薬局内の在庫においても、東京都薬剤師会のうっかりドーピング対策ページにて配布されている各種ポスターやPOPなどを活用して、スポーツファーマシストに限らず、一般薬剤師ならびに登録販売者においても在庫の医薬品に対して禁止物質を配合されていないかを把握をすることが重要です。

3.正確な回答
回答においても正確な対応が求められます。OTCについては、最後の一文字の違いで配合成分が大きく変わることもあります。曖昧にせず、正確な名前の確認、可能であれば現物の確認まで出来れば安心です。
選手に対して回答においてもスポーツファーマシストによるダブルチェックが望ましいですが、薬剤師会などが行うFAX窓口やインターネットでの禁止成分検索フォーム、スマートフォンのアプリなどの活用も有効です。
選手が医薬品の購入の際にドーピング検査の可能性を伝えたのにもかかわらず、回答者が確認出来なかったため、選手が咳止め薬を自身で判断して服用し、失格になった事例が2012年に報告されています。


■さいごに

ドーピングに関する制度は難解であり、禁止物質も非常に多岐にわたり複雑です。薬剤師が曖昧な回答をすることで選手は最悪の場合、ドーピング検査陽性を原因として選手生命を絶たれることもあります。なかなかドーピングに関わるツールも少なく、課題も多くありますが、薬剤師の力で日本から意図しないドーピングをなくせるように頑張りましょう。


■著者プロフィール



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遠藤 敦(Atsushi Endo)


1978年生 千葉県出身
東京薬科大学卒
薬剤師、公認スポーツファーマシスト、公認ウェルネスファーマシスト
大学卒業後、国立精神・神経センター武蔵病院に就職、独立を目指し転職し、調剤薬局、ドラッグストアなどの職歴を経て2011年4月公認スポーツファーマシスト認定、2011年11月に公認スポーツファーマシストによるドーピング防止事業を行う、株式会社アトラクを設立、同代表取締役社長に就任、現在に至る。




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【関連Q&A】
スポーツファーマシスト基礎講習会に参加します。持参すると良いものはありますか ?
当店で販売しているサプリメントがドーピング検査にかからないか調べる…
ドーピングに関する資料を集めたいのですが、どのような所から集めたらよい でしょうか?

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