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6.薬局薬剤師からスポーツファーマシストを視る

6.薬局薬剤師からスポーツファーマシストを視る

2013年12月03日 (火) 08時00分配信 投稿日:13/12/03 08:00 icon_view 660view

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~薬剤師がしっかり関わろう!アンチドーピング~


■スポーツファーマシストになった理由

東京都薬剤師会の理事として、各地区で、アンチドーピングに関して講演をすることになりました。これが最初の関わりです。

事務局が作成した資料に基づき、JADAのホームページや、「薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック」で知識を仕入れ、「アンチドーピング」「スポーツファーマシスト」についての話をしました。自分自身も、1年目の講習会は抽選でもれてしまいましたが、2年目にJADA公認スポーツファーマシストの資格をとることができました。

ドーピング対象の薬物が細かく決められていること、試合中や試合に関係なく常時使ってはいけない薬物があること、監視プログラムがあること、禁止するものは薬物以外に物理的方法があること、特定競技だけ禁止する薬物があることを学びました。また、試合の日程から、半減期を考慮し使用可能な医薬品を選択することができること、治療用の医薬品のTUE(治療目的使用に係る除外措置)があることもわかりました。

わかればわかるほど、ドーピングを目論む側とのせめぎあいを感じ、アンフェアであり、選手の身体に多大な影響を及ぼすドーピングは許されないことであると痛感しました。


■ラグビー選手の試合出場停止

わたし、ラグビー観戦が昔から大好きです。特に早稲田ラグビー。12月に行われる早明戦は、入場券が「プラチナペーパー」と言われていた時代から、ずっと国立競技場で観戦しています。

2年前、新聞で「Y選手がドーピング違反で2年間出場停止」という記事を見ました。原因は口ひげをはやすため、一般用医薬品の眉毛育毛剤を使ったことが原因とのことでした。なぜ、そんな1類の一般用医薬品をラグビー選手に販売してしまったのか、薬剤師はそれを防げなかったのかと、ほんとうに残念な思いがしました。

彼は、聴聞会で「先進国の日本でしっかりした教育を受けた選手が、なぜ禁止薬物を認識していないのか」と厳しく問いただされたそうです。でも、会社は、「有能な若者の将来を絶つべきではない」と、彼をクビにはしませんでした。彼は、総務として働き、ジムに通い、復帰をあきらめずにトレーニングを続けたそうです。今年、24歳の彼はトップリーグでのプレーを再開します。大型司令塔が再び歩みだします。楽しみです。


■「スポーツ祭東京2013」開催!

スポーツファーマシストになってからの最初の活動は、地元の台東区に「スポーツファーマシストがいること。活用してほしいこと」を働きかけることでした。

浅草薬剤師会で「その薬飲んでも大丈夫?」というアンチドーピングのリーフレットを作成し、行政や関係機関に送り、スポーツファーマシストの存在を訴えました。

平成24年9月、その思いが通じたのか、教育委員会 青少年・スポーツ課から「国民体育大会 フェンシング競技リハーサル大会」(全日本選手権・団体戦)に向けて医薬品を購入する予定であり、ついてはその医薬品がドーピングの対象となるかどうかについて確認をしてほしいという依頼が来ました。

購入予定の医薬品は、解熱鎮痛薬、総合感冒薬、胃腸薬、下痢止め、湿布薬、点眼薬、消毒薬など11種類の一般用医薬品でした。「薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック」で調べたところ、×が1種類、△が4種類、○が6種類という結果になりました。×、△の一般用医薬品は、理由を説明し、代替えの医薬品を推薦しました。

その後は、全日本空手連盟から、ベラルーシで開催される試合に持っていく一般用医薬品について2回ほど問い合わせがあり、それも可否を調べ、ドーピング対象のものは代替え医薬品を勧めました。


■最後に

国際試合に出場する選手には、しっかりドーピングを管理するコーチがいると思われますが、さまざまな大会に参加するアスリートの「うっかりドーピング」を防ぐことが、薬剤師の役割だと思います。

スポーツファーマシストでなくても、ドーピングに関する情報を取ることはできます。せっかく厳しい練習をして出した結果が、不注意な医薬品の使用によって無駄にならないよう、アスリートのお手伝いをしていきたいと思っています。


■著者プロフィール



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坂口眞弓(Mayumi Sakaguchi)


東京浅草生まれ。薬剤師、臨床検査技師、実務実習指導薬剤師、公認スポーツファーマシスト。
共立薬科大学を卒業後、東京大学医学部附属病院薬剤部。
現在、台東区で、みどり薬局、みすじ薬局、車坂薬局開設。
東京薬科大学客員教授
(社)浅草薬剤師会 会長
(社)日本薬学会 代議員、広報委員会委員、関東支部幹事
(社)日本薬剤師会 医薬品情報評価検討委員
(社)日本プライマリ・ケア連合学会 認定薬剤師制度委員、多職種協働のあ り方プロジェクトチーム
(社)東京生薬協会 OTC普及啓発イベント実行委員  アプライド・セラピューティクス学会 評議員




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【関連Q&A】
スポーツファーマシスト基礎講習会に参加します。持参すると良いものはありますか ?
当店で販売しているサプリメントがドーピング検査にかからないか調べる…
ドーピングに関する資料を集めたいのですが、どのような所から集めたらよい でしょうか?

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