新着記事・レポート

カテゴリーを選択

薬剤師力向上セミナー

<<前の記事へ

次の記事へ>>

11. 2014年診療報酬改定で在宅医療はこう変わる!(前編)

11. 2014年診療報酬改定で在宅医療はこう変わる!(前編)

2014年09月03日 (水) 07時00分配信 投稿日:14/09/03 07:00 icon_view 311view

お気に入りに登録

お気に入りに登録

icon_view 311view

在宅医療は外来通院医療、入院医療に次ぐ「第三の医療」とも言われ、高齢化が進むなか、在宅医療への期待が急速に高まっている。在宅医療推進に向け、今回の診療報酬改定によって、医師や薬剤師に求められる役割や機能はどうなっていくのだろうか?在宅医療経営の第一人者、湘南なぎさ診療所の中村哲生先生にレクチャーしていただいた。

image
 

■集患の決め手となる数字

神奈川県藤沢市にある医療法人社団南星会湘南なぎさ診療所は、現在2箇所の診療所に51人の医師がおり、各科の専門医を配置しています。「多科の医師による診療」で重症患者に対応できる在宅療養診療所(以下、在支診)にしようというのが、当診療所の特徴であり目標です。

藤沢市は人口が約41万人の都市で、2011年10月1日時点での65歳以上の人口は8万3,300人(高齢化率20.3%)となっています。このうち在宅医療の対象になると思われる「要介護3、4、5」の方は4,310人いらっしゃいます。藤沢市には在支診が実態ベースで20施設あり、在宅医療の主たる対象者の要介護3以上の方は1診療所当たり215人となります。(図表(1)(2))

image

image
 

実はこの「200」という数字が大事で、200より少ないと集患が難しく、200を超えていると集患しやすいという事実があります。例えば東京都千代田区における介護度3、4、5の方の人数は792人で、在宅療養支援診療所の数が15軒ですので、この計算ですと1診療所当たりの割り当て数は52.8で200という数字からは程遠い数字になります。
 

■連携の必要性を数字で示す

現在、2つの当診療所の患者数を合わせると3,000人くらいになります。内訳は一般在宅患者数が約500人、施設在宅患者数が約2,500人。ちなみに、現在年間180人くらいの患者さんを看取っています。

2009年の当院から病院へ入院した患者数は196人です。逆に病院から在宅医療へと復帰した患者数は191人でした。

以前神奈川県病院協会から講演依頼があり、この数字をお示ししたところ、後日病院の方から連携のお話がありました。

その後は、例えば、在宅で寝たきりの患者さんのMRI検査の場合、以前は病院外来受診→検査→結果と、3回病院へ行かなければならなかったのが、連携後は当診療所から病院へ検査予約できるようになり、患者さんは予約日に病院へ行ってあまり待たずに検査し、戻ってきたら結果が分かるという流れになり、3回が1回で済むようになりました。


■在宅は口コミで成り立つ

当診療所は2007年5月開業ですが、その年の9月から、ほぼ毎月1人ずつ医師の数を増やしてきました。最初は皮膚科の先生にきていただきました。ある施設からの求めに応じる形で、皮膚科の先生に月1回施設に行っていただくようにしたところ、快癒した患者さんの口コミで月を追うごとに受診者が増えました。

実は、在宅医療は、100%口コミで成り立っています。医師1人しかいなかった当診療所が、皮膚科に限らず、あらゆる科の医師を擁するまでになれたのも、利益分を医師確保に充て、少しずつ在宅医療を進めてきた結果であると思っています。
 

■増収増益が可能なビジネス

在宅医療について「参入のメリット」という観点からお話します。

1つ目のメリットとして、診療報酬が高いこと。
2つ目は、開業資金が安いこと。
3つ目は、MRIなど大きな設備投資を必要としないため、設備投資が少なくて済むこと。
4つ目は、季節変動が少ないこと。外来と違い、一度患者さんになっていただいたら、毎月出向くわけですから、事業計画も立てやすいわけです。
5つ目は、事業撤退が可能なこと。設備投資が少なく身軽ですから。
6つ目は、増収増益が可能だということ。100床の病院は100人を超えて入院させることはできません。当診療所は3,000人の患者さんがいますから、3,000床の病院ということになります。数に見合うだけのスタッフを集め、ノウハウを築き、システム化ができさえすれば、患者さんを増やせるのです。(図表(3))

image
 

■在宅医療の将来性

「都道府県別高齢者人口(65歳以上)の増加数(2005年→2025年)」のグラフをご覧ください。(図表(4))これを見ると、東京、神奈川をはじめとする9つの都道府県で全体の増加数の約60%を占めていることから、このエリアは今後、在宅医療の対象となり得る高齢者の伸びシロが大きいということです。逆に、高齢者人口の伸びの少ないエリアは、今が参入のラストチャンスなのです。

これから、中小の病院がどんどん在宅医療に参入してくることも認識しておかれるとよいでしょう。

  image

※この記事は、2014年5月18日に開かれた〈第12回 薬剤師力向上セミナー〉(株式会社グッドサイクルシステム主催)の内容をもとに構成したものです。

■講師プロフィール

image


医療法人社団南星会
湘南なぎさ診療所 事務長
中村 哲生(なかむら てつお)

1965年東京都生まれ。医療コンサルタント。専門は在宅医療。株式会社コミュニティーチェスト代表取締役。設立からわずか 2年半で在宅医療患者数が1,000人を超えた湘南なぎさ診療の事務長として、在宅医療経営のオピニオンリーダー的存在。

photograph by Hideyuki Igarashi
 

中編はこちら・・・
後編はこちら・・・

Good0

コメントする

コメントする

コメント

回答:0件

記事・レポート(1346件)

show

2017.11.15 new 268.直前に出た人、止めた人の結果 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.11.08 new 267.根拠の無い「就寝前」は誰のため 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.11.02 93.薬局の業態変化の必要性 【世塵・風塵】

2017.11.01 266.まさか2年連続で怒鳴るとは 【薬剤師業界のウラガワ】

2017.10.25 265.グレーが新たなグレーを生む 【薬剤師業界のウラガワ】

もっと見る

業界ニュース(20161件)

show

アンケート

show
ただいま、募集中のアンケートはありません。

もっと見る

セミナー情報(1件)

show

ブログ(5703件)

show

求人情報

show

よく見られている
新着記事・レポートランキング 集計期間:11月11日~11月18日

もっと見る

よく見られている
薬剤師のQ&Aランキング 集計期間:11月11日~11月18日

もっと見る