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11. 2014年診療報酬改定で在宅医療はこう変わる!(後編)

11. 2014年診療報酬改定で在宅医療はこう変わる!(後編)

2014年09月24日 (水) 07時00分配信 投稿日:14/09/24 07:00 icon_view 392view

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■薬剤師さんもどんどん在宅へ

これからは、大病院は一般外来を縮小して専門的な診療を行う流れになっていきます。逆に200床未満の中小病院や診療所については、主治医機能を強化するため、継続的かつ全人的な診療を評価する「地域包括診療 」 1,500点(月1回)が新設されました。

これらは外来医療の機能分化と連携推進という方針に基づくものです。

病院の院外処方については、「24時間開局している薬局であること。なお、24時間開局している薬局のリストを患者に説明した上で患者が選定した薬局であること」となっています。診療所の院外処方については、時間外に電話連絡で動ける薬局であれば大丈夫とされています。

これに関連し、今回の改定では、保険薬局における24時調剤と在宅業務体制を整備していくため、基準調剤加算の評価を見直しています。基準調剤加算1が10点から12点に、基準調剤加算2が30点から36点にそれぞれ引き上げられました。

詳述は省きますが、基準調剤1は、近隣の薬局と連携して24時間調剤と在宅患者に対する薬学的管理及び指導を行うのに必要な体制が整備されていることが条件となっています。

基準調剤2では、自局単独での整備を前提に、在宅業務の実績、在支診や訪問看護ステーションなどとの連携が求められています。

いわば「薬剤師さんもどんどん在宅へ」という流れにおける大きなポイントは、「24時間調剤」の体制づくりにあるといえます。改定後は対応が早いほど利益も確保できます。薬局の24時間調剤や開局はいずれ必須化されるでしょう。早めに体制づくりをし、医療機関との連携を確保すべきです。加算点数もあり経営収支が変わってきます。
 

■訪問診療料の要件を厳格化

今回の改定で、在宅患者訪問診療料の要件が厳格化され、「同一建物」における評価が引き下げられました。その結果は次のとおりです。

・訪問診療料2(特定施設等)
400点→203点
・訪問診療料2(右記以外の同一建物)
200点→103点
・訪問診療料1(同一建物以外)
830点→833点

併せて、「訪問診療を行うことについて患者の同意を得ること」「訪問診療が必要な理由を記載すること」といった算定要件が示されました。

これには、訪問診療の報酬が外来より高いことを利用し、施設の患者をまとめて紹介してもらい、医師が診療報酬の一部を紹介業者などにキックバックする事例が社会問題化したことが背景にあり、こうした不適切事例を排除する狙いがあります。

ただ、在宅医療点数の大幅な減収を回避するため、その後、厚生労働省から緩和策が打ち出されました。

ここに「同一建物」のポイントを整理した資料と特定施設における緩和措置後の診療点数のパターンを掲げておきます。(図表(6)(7))

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■診療報酬が高い在宅末期

ここで在宅末期の患者さんの訪問診療について触れておきます。結論としては、高い診療報酬が得られます。患者1人当たり月50万円くらいになります。看護師と医師がそれぞれ必ず週1回以上行くことが算定要件で、合わせて週4日以上行くと7日分の点数が付きます。

普通の診療所の場合で、処方箋ありの週は1,495点、なしの週は1,685点で、ひと月で約5万点です。

機能強化型の場合は、処方箋ありの週が1,650点、なしの週が1,850点ですから、5万4,000点くらいになります。強化型有床診ではもっと点数が上がります。

この点数は療養する場所により算定できない所もありますので、算定チャートを参考に挙げておきます。(図表(8))

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■訪問診療のペイライン

訪問診療における診療所の経営面について少し触れておきます。  ここに「訪問診療と在総診の点数配分の考え方」として、要点をまとめた資料をお示しします。(図表(9))

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「訪問診療」及び「往診料」は医師のいわば“給与”であり、「在医総管」及び「各種管理料」はクリニックの“運営費用”とします。

医師の給与を1日9万円で計算すると、訪問診療料単価8,300円で「1日11訪問」がペイラインとなります。またひと月のクリニックの経費を150万円とした場合、患者1人当たりの「在医総管」「各種管理料と加算」「居宅療養管理指導」の月単価を4万5,000円で計算すると、患者数は34人必要と算出されます。

「1日11訪問」については、無理なく達成可能な数字と思われます。例えば予約表の11人目のところに赤線を引いておくと、ペイラインが一目瞭然。これを超えようと皆さんがんばってくれる効果も期待できます。


■事業計画と差別化戦略

診療所が在宅医療に参入するには、事業計画を立てなければなりません。

そのポイントは5つあります。

1つ目は、経営理念と診療方針。どういう患者さんを診るか、診られるかをはっきりさせることです。

2つ目は、地域の中で、社会資源として役割の明確化。

3つ目は、在宅医療は「B to C」でも「B to B」で、「100%紹介」だということ。病院、訪問看護ステーション、ケアマネージャー、薬局などが患者さんの紹介元になります。そういったところと連携を取らなければ患者さんは出てきません。

4つ目は、事業規模。患者数と人員体制の最適化です。

5つ目は、在宅医療の差別化。これについては、24時間365日体制の確立、医療依存度の高い重症患者を診ることができる、色々な診療科目の専門医がいる、皮下点滴などの対応ができる、営業力が高いなど、さまざまなポイントがあります。
 

■薬局・薬剤師との連携強化

在宅医療は薬剤師さんとの連携が成功のカギだと思っています。当診療所では、処方箋は薬剤師さんに手渡しし、カルテをお見せするなど、処方目的をご理解いただくよう努めています。また、薬剤師さんにもカンファレンスへの参加や、希望があれば訪問診療に同行していただくなど、お互いに顔の見える関係づくりを心がけています。

在宅医療は、薬剤師さんをはじめ、医師、看護師、施設のスタッフ、ケアマネージャーなど、いわゆるチーム医療としての総合力が求められているといっても過言ではありません。

さまざまな場面で薬局・薬剤師さんとの連携を強化し、共に地域医療を支えていくことを願っています。


※この記事は、2014年5月18日に開かれた〈第12回 薬剤師力向上セミナー〉(株式会社グッドサイクルシステム主催)の内容をもとに構成したものです。


■講師プロフィール

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医療法人社団南星会
湘南なぎさ診療所 事務長
中村 哲生(なかむら てつお)

1965年東京都生まれ。医療コンサルタント。専門は在宅医療。株式会社コミュニティーチェスト代表取締役。設立からわずか 2年半で在宅医療患者数が1,000人を超えた湘南なぎさ診療の事務長として、在宅医療経営のオピニオンリーダー的存在。

photograph by Hideyuki Igarashi
 

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