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13. ハイリスク薬の薬学管理指導のチェックポイント   〜精神神経疾患の患者対応〜(前編)

13. ハイリスク薬の薬学管理指導のチェックポイント 〜精神神経疾患の患者対応〜(前編)

2014年11月12日 (水) 07時00分配信 投稿日:14/11/12 07:00 icon_view 1274view

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講師:富永敦子先生



うつ病や統合失調症など、精神疾患患者に対する精神神経用剤のリスク管理はどうあるべきなのだろうか。株式会社医療経営研究所研究員・富永敦子先生に、ハイリスク薬の薬学管理の基本を踏まえた患者対応のあり方について、多角的な視点からご教授いただいた。

■精神科医療の現状

今回は、精神神経疾患の領域における患者対応、とりわけハイリスク薬の薬学管理指導のチェックポイントについて、精神科医療の現状、ハイリスク薬の薬学管理の考え方、精神神経用剤のリスク管理、自殺予防対策という流れで話を進めていきます。
最初に精神科医療の現状から。
2012(平成24)年現在の〈死因順位別の死亡率(対10万人)〉の数字を見ると、1位がん(286.6万人)、2位心臓病(157.9万人)、3位肺炎(98.4万人)、そして7位自殺(21万人)となっています。一般に考える以上に自殺が多いことが分かりますが、この自殺者のうちの何割かは精神神経科の患者である可能性があります。
医療機関にかかっている患者数は、厚生労働省の統計によると、がんや糖尿病を抜いて、精神疾患が一番多く、そのうちの1割は入院しているという数字を示しています。また、精神疾患の外来患者では神経症、うつ病、統合失調症の患者が約7割を、精神疾患入院患者では神経症、うつ病、統合失調症の患者が約6割を占めているという調査報告があります。さらに、精神病床数の国際比較では、国により定義が異なるものの、日本がここ20年ほど1位をキープ。同様に精神病床の平均在院日数の国際比較でも、減少傾向にはあるものの、やはり他国を大きく引き離しており、現在の日本において、医療全体に占める精神神経疾患患者の割合の大きさをあらためて認識させられます。

 

■精神疾患の医療体制
このような現状に対して、2012(平成24)年、厚生労働省は、発症から診断、治療、地域生活・社会復帰までの支援体制を明示するため、精神疾患に関する医療計画を策定し、今後の目指すべき方向を示しています。これによって、精神疾患の医療体制は、患者の重症度や障害の程度に応じて、役割分担が細分化され、発症した場合、【1】かかりつけ医などによるスクーリングや初期治療 【2】必要に応じて専門医による評価+重症度に応じて入院などの処置 【3】さまざまな医療支援による治療〜回復へ 【4】退院後の社会復帰へ向けた支援(服薬中断防止、相談など)というように、段階を追って患者をサポートしていくことになります。

■適切な向精神薬の使用
厚生労働省は、2013(平成25)年度に向精神薬の処方実態に関する研究を実施しています。目的は、【1】わが国の向精神薬の処方動向を明らかにすること 【2】20歳未満の若年層の向精神薬の処方実態を把握すること 【3】向精神薬とそれ以外の薬剤の併用実態を調査すること、の3点です。
この研究の結果が影響しているのか、2014(平成26)年度の診療報酬改定で、向精神薬の項目に改変があったのはご承知のことと思います。
〈適切な向精神薬の使用の推進【1】〉では、〈非定型抗精神病薬加算の見通し〉として、従来は2種類以下の場合で15点、それ以外の種類制限のない場合で10点、それぞれ算定されていたものが、今回、2種類以下の場合(15点)のみと改定されました。また、〈抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬および抗精神病薬の処方の適正化【1】〉では、1回の処方において、3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬または4種類以上の抗精神病薬のように抗精神病薬を多剤投与した場合、精神科継続外来支援・指導料は算定せず、処方せん料(30点)、処方料(20点)、薬材料(100分の80)については、それぞれカッコ内の数字に減算されています。
ただし、〈適切な向精神薬の使用の推進【2】〉として、除外規定も盛り込まれています。薬の切り替え時や臨時投与の場合のほか、「抗うつ薬と抗精神病薬に限っては、精神科の診療に係る経験を十分に有する医師がやむを得ず投与を行う必要があると認めた場合」が含まれることからも、専門医の診療を受けた患者の処方については除外される可能性があるわけです。
こうした精神科領域の現状や変化を知れば知るほど、薬剤師に求められている使命の重大さを感じます。薬剤師が持てる職能を十分に生かし、回復に努める患者への対応として、経験上、薬剤管理や指導以外にもできることはあると確信しています。


■ハイリスク薬のリスク管理
次に一般的なハイリスク薬の薬学管理について解説します。その具体的な項目は図表1のとおりです。精神疾患の処方を扱うということは、ハイリスク薬のリスク管理やそれを服用する患者の生活指導に至るまで、幅広い見地での対応が求められます。


ハイリスク薬の服薬指導プロセスを図式化したものが図表2です。担当薬剤師としてこの流れを一定期間続けていくことで、ハイリスク薬を服用する患者の治療に役立つはずです。


ハイリスク薬のリスク管理については調剤報酬上、「特定薬剤管理指導加算」が規定されています。
【1】患者に服用状況、効果の発現状況、注意すべき副作用に係る自覚症状の有無、および当該症状の状況、注意すべき併用薬の有無などについて確認する 【2】過去の薬剤服用歴の記録を参照したうえで、服用に際して注意すべき副作用やその対処方法、服用および補完に係る取り扱い上の注意事項などについて詳細に説明する 【3】必要な指導を行った場合に算定できる、とされています。
要は薬剤師の本来業務をしっかり行うことで、ハイリスク薬のリスク管理は一層強化されるというわけです。

(次ページ)■医師と薬剤師との連携・・・

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