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13. ハイリスク薬の薬学管理指導のチェックポイント 〜精神神経疾患の患者対応〜(後編)

13. ハイリスク薬の薬学管理指導のチェックポイント 〜精神神経疾患の患者対応〜(後編)

2014年11月26日 (水) 07時00分配信 投稿日:14/11/26 07:00 icon_view 517view

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講師:富永敦子先生



■統合失調症と薬物治療
次に統合失調症ですが、その定義は図表13にあるような陽性症状と陰性症状が現れる病気です。

陽性症状には思考障害や幻覚などがあり、「見られている」など訳の分からないことを口走ったり、実際に行動したりします。一方、陰性症状には感情障害と自閉、意欲障害や行動障害があり、意欲がなくなり、意思疎通ができなくなっていくのが特徴です。
この病気の治療については、薬物治療+精神療法さらにリハビリテーションが行われますが、医師と連携して段階を踏んでいくのは、うつ病などと同様です。その治療目標のアウトカムは、図表14のとおりです。

さて、薬物療法に使われる抗精神病薬のチェックリストですが、副作用以外は全て先に掲げた図表7の抗うつ剤のリスト中の項目と同じです。
そして抗精神病薬の副作用には、錐体外路症状、悪性症候群、抗コリン作用、遅発性ジスキネジア、高血糖、内分泌異常、消化器症状、循環器症状、転倒などがあります。
ここでも、アドヒアランスの確認は大切で、【1】飲み忘れ 【2】自己判断による自己調節 【3】継続の必要性の理解 といった点は抗うつ薬と同様です。
統合失調症の患者の場合には、加えて、服用に対しての不安、質問はないか、家族の協力の有無や家族の状況なども忘れずに確認してください。
抗精神病薬は脳の受容体に作用する効果を持つ薬剤ですが、もともと各受容体には、それを遮断したり、刺激したりすることで身体的な効果や弊害が現れるという機能が備わっています。(図表15) こうした受容体の作用を薬剤でコントロールするのが抗精神病薬の役割です。

抗精神病薬の処方内容についても、【1】用法・用量 【2】既往歴 【3】併用薬 【4】医師の説明 といった点を十分に確認することが基本となります。
現在、原則として非定型抗精神病薬が第一選択として使われています。非定型薬は、ドーパミンD2受容体遮断、セロトニン5-HT2A受容体遮断、セロトニン5-HT1A受容体刺激、ヒスタミンH1受容体遮断、アセチルコリン受容体遮断、アドレナリンα1受容体遮断という機能を有し、急性期症状において定型薬とほぼ同等の有効性を発揮することが可能である上に、副作用(錐体外路症状や過鎮静など)が少ないことがメリットだからです。
非定型抗精神病薬の規格、用量・用法のリスト(図表16)、さらに主な受容体に対する作用のリスト(図表17)を掲げましたので確認してください。


一方、定型抗精神病薬というのは、非定型薬のセロトニン5-HT1A受容体刺激以外の要素はすべて同様なのですが、主に陽性症状に効果を示すものの、陰性症状や認知障害には効果が乏しく、副作用が問題視されています。参考までに定型薬の受容体への作用についてリストアップしました。(図表18〜20)



定型、非定型の抗精神病薬を比較してみると、陽性症状においては、非定型のほうがわずかに優性であるぐらいで、両者ともに大きな格差は見られません。しかし、陰性症状においては非定型の方が優れているとともに、再発予防の点でもはるかによい効果をもたらすといわれています。各種副作用についても、非定型のほうが優れているとされていますが、体重増加の点だけはネガティブな要素として問題になっています。
参考まで、抗精神病薬による副作用のリストを載せておきます。「参考【1】」(図表21)が受容体の遮断によるもので、「参考【2】」(図表22)が代表的な症状です。


抗精神病薬で特別な注意を必要とするのが、薬剤の切り替えや中止のときに生じる離脱症状です。三つのケース別に留意点を挙げておきます。
【1】前薬を中断して一度に切り替える→前薬が長いときは、症状の再燃、前薬の離脱・断薬症状に要注意 【2】前薬を減量しながら新薬を増量していく→減量速度に注意 【3】前薬に新薬を追加。その後、前薬を減量→最も安全ながら、完全に単独処方に切り替わらない可能性あり

 

(次ページ)■統合失調症患者対応の留意点・・・

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