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1.薬剤師を取り巻くスタッフの役割と位置づけ

1.薬剤師を取り巻くスタッフの役割と位置づけ

2009年04月09日 (木) 19時31分配信 投稿日:09/04/09 19:31 icon_view 1750view

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私たち薬剤師が働く現場(「薬局」「ドラッグストア」「病院」)には、それぞれ様々な医療スタッフが一緒に協力し合って働いていることと思います。
あなたの職場にはどんな仲間がいますか?薬局によっては、栄養士さんや医療事務さん、フロアレディさんなどがいらっしゃるかもしれませんね。海外ではどうでしょう?

今回は、「薬局」に焦点を絞って”薬剤師を取り巻くスタッフ”にはどんな人達がいて、それぞれどのような役割を担っているのかを見ていきましょう。



■日本の場合



図1.日本国旗


日本では、2006年から登録販売者制度が創設され、薬剤師以外にOTC医薬品の販売を担える職業が、2008年に行われた第一回目の試験により誕生したばかりです(※09年6月に有資格者が生まれます)。
しかし、オーストラリアやカナダでは、同じような役 割を担う人たちが、何年も前から薬局で活躍しているのをご存知ですか?  

【日本における主なスタッフ】
薬剤師:すべての医薬品に対し、調剤・監査・投薬を担当
医療事務:処方箋のコンピュータ入力・保険関連
登録販売者:OTC医薬品の第二類&第三類の販売を担当

日本では通常、1日の処方箋受付枚数40枚に対し1人の薬剤師を配置するのが原則となっていますが、この数字、業務において妥当だと感じますか?

一方、オーストラリアでは、150枚に対し1人の薬剤師を配置してい るのです。(なお、カナダのアルバータ州では、特に処方箋枚数による薬剤師人数の制限はありません。剤師の友人の話では1日に1人で400枚こなす日もあるとの事です。)

日本の4~10倍近くの枚数を一人の薬剤師がこなせるのは何故でしょう?


図2.処方箋枚数の三ヵ国比較

図.処方箋枚数の三ヵ国比較

 

■海外―オーストラリアの場合



図3.オーストラリア国旗


海外の薬剤師が、日本よりも多くの枚数の処方箋をこなせる理由としては、「テクニシャン(調剤師)」と 呼ばれる有資格者の存在が大きいようです。

オーストラリア・カナダ両国にテクニシャン制度が設けられて おり、調剤や処方箋のコンピュータ入力、OTC薬や雑貨のオーダリング、また、一部の国では登録販売者同様 、限定された範囲内でのOTC医薬品の販売等も任されています。
(※詳しい医薬品分類に関しては、‘調剤の 仕方(※次号以降)’の記事で紹介します。)
イメージとしては、日本の医療事務に調剤権が与えられたようなもの、と思ってください。

その他にも、薬局では「薬局アシスタント」が、接客の第一応対者として勤務しており、テクニシャン同様限定されたOTC医薬品の販売が認められています。
この職種は特に資格を要しませんが、オーストラリアでは 、国が提供する研修への参加が必要になります。薬剤師による専門的な説明が必要な場合だけ、薬剤師に照会することになるので、薬剤師は処方箋業務に集中できるのです。

テクニシャンと薬局アシスタントとの違 いは、資格と調剤権の有無に関してのみです。

【オーストラリア(豪)における主なスタッフ】
薬剤師:すべての医薬品に対し、(調剤・)処方箋監査・投薬を担当
テクニシャン(調剤師):調剤・処方箋のコンピュータ入力・ OTC薬や雑貨のオーダリング・限定されたOTC医薬品の販売 薬局
アシスタント:テクニシャンと類似した業務。調剤は行えない。
薬学生アルバイト:薬剤師の責任のもと、薬剤師と類似した業務(服薬指導)を担える。



■海外―カナダの場合



 

図4.カナダ国旗


カナダの薬局で働いている従業員は、オーストラリアに非常によく似ています。テクニシャンやアシスタン トの役割や薬剤師の配置制度に関する違いがあります。
(カナダやオーストラリアでは、州によって医療や 薬の法律がそれぞれ定められており、多少異なることがあるので注意してください。)

私が現在、住んでいるアルバータ州では、日本やオーストラリアのように、処方箋枚数に応じた薬剤師の配置 人数の制限はありません。営業時間に1つの薬局に薬剤師が1人配置されていればよく、少ないところで1日50 枚程度の薬局もあれば、400枚以上のところもあります。この枚数を対応しているのがテクニシャン(調剤師 )達なのです。

400枚/週ごとに1人テクニシャンを追加できるとのことです。カナダのテクニシャンやアシス タントは、オーストラリアのように患者さんにカウンセリングをして薬を提供することは原則認められてお りません。同じ「テクニシャン」と呼ばれる職業でも、国によってその役割は異なるようです。

【カナダ(加)における主なスタッフ】
薬剤師:すべての医薬品に対し、(調剤・)処方箋監査・投薬を担当
テクニシャン(調剤師):調剤・処方箋のコンピュータ入力・ OTC薬や雑貨のオーダリング薬局アシスタント:テクニシャンと類似した業務。調剤は行えない。
薬学生アルバイト:薬剤師の指導のもと、薬剤師と類似した業務(服薬指導)を担える。


■まとめ
以上から、テクニシャンや薬局アシスタントの役割が、薬剤師業務の効率化と専門性に、大きく影響していることをお分かり頂けたと思います。
しかし、上記に記載した処方箋処理枚数の違いは、実はこのスタッフ の役割の違いによるものだけではありません。他にどんな秘密が隠れているのか、医療制度や調剤の方法な どに関しての違いも、今後見て行きましょう。


著者:五味さやか


*この記事は2018年3月30日に更新しました。
*本記事の掲載内容、データ、リンク先、著者の所属先や肩書などは掲載当時のものです。

 

「三カ国での薬学比較」の連載記事
・2.調剤関連
・3.監査方法
・4.投薬とカウンセリング
・5.薬学と記録
・6.医療制度 vol.1
・7.医療制度 vol.2
・8.医療システム
・9.高齢者医療
・10.薬学教育<実務実習>

*連載記事の一覧はこちら

 

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