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6.公益社団法人東京生薬協会と薬用植物の国内栽培について(後編)

6.公益社団法人東京生薬協会と薬用植物の国内栽培について(後編)

2014年08月07日 (木) 07時00分配信 投稿日:14/08/07 07:00 icon_view 94view

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-秋田の薬草栽培(行政と一緒に)-


公益社団法人東京生薬協会 会長
藤井 隆太

■1.薬用植物の国内栽培化の現状と課題

現在、漢方・生薬製剤の原料となる生薬の約8割は外国からの輸入に頼っており、その内の8割近くが中国からの輸入です。このため、輸入国のカントリーリスク、資源の枯渇化、価格の上昇、安定的な供給、品質の確保、安心と安全等の国外状況。また、国内では、米やタバコに変わる農作物の転換、耕作放棄地の増大、TPPへの参加、PIC/SGMPの導入による医薬品原材料のトレサビリティーの厳格化等の問題を抱え、その解決策のひとつとして生薬の国内栽培化が注目されています。 
来年度からは、薬用植物栽培に取り組む団体等への補助金制度も始まります。しかし、薬用植物の栽培には課題も多くあります。

まず、輸入生薬との価格差です。資源の枯渇化が懸念されるといっても、野生品、半野生品の収穫、労働賃金の違いにより、どうしても国内栽培品の価格が高くなり2~10倍くらいの差が出ます。

次に、栽培や調整(修治)技術がないことです。ほとんどの農家は薬用植物の栽培の経験がなく、5~6年は栽培指導が必要です。また、ほとんどが無農薬栽培ですので、こまめな農作業が必要で手間がかかります。農薬取締法の登録農薬の改正も必要になるかもしれません。

3番目は、土壌の改良です。良質な生薬を作るには良い畑が必要ですが、ほとんどの耕作放棄地は土地が荒れていて、土壌つくりからはじめなくてはなりません。最後は放射線の影響です。震災による原発の事故で、17都県での薬用植物の栽培には放射線が検出限界以下でなくては、医薬品への使用ができません。従って作付けできる土地や地区が限られてきます。
 

■2.当協会の薬用植物の国内栽培化への取り組み

上記の薬用植物の国内栽培化の現状と課題を踏まえ、当協会では、協会設立の趣意に添って、以下の取り組みを行なうこととしました。

従来の薬用植物の国内栽培は、製薬企業や生薬の卸・仲買人等が必要と思われる生薬を確保するため、農家と個別契約を結んで作ってもらう方式でした。これには、企業等側も農家側も買い取り補償や契約単価等で、それぞれにリスクを抱えており、規模の拡大には至っていませんでした。そこで、協会としては、企業側と農家に最初の試作リスクを負わせない方法として、協会と行政が協定を結び、かかる費用は行政が農業振興として、協会に支払う方法を考えました。

協会はこの協定に基づき、行政が用意した農地の視察を行い適地、適作物を選定し、種苗や栽培技術・修治技術を提供しながら、約5年間の試験栽培を行なうものです。この期間を通して、試作品が十分規格等に耐えるものができる見通しをつけるともに、受け入れ先を探していくこととしています。

製薬企業や卸業での販売見通しも考慮して作物の選定はしておりますが、まずは、行政に協力をいただいた農家の方々に生薬の栽培技術や修治技術を習得していただくことを主眼にしております。


(次ページ)現在この方式により、秋田県八峰町、美郷町の2町と協定を結び・・・

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