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22.外来血圧だけでの管理には限界がある むしろ家庭血圧があなたの治療方針を決める 【医師 飯島勝矢氏】

22.外来血圧だけでの管理には限界がある むしろ家庭血圧があなたの治療方針を決める 【医師 飯島勝矢氏】

2015年01月20日 (火) 07時00分配信 投稿日:15/01/20 07:00 icon_view 192view

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提供:株式会社ウェルビー


飯島先生アイキャッチ写真

 

東京大学高齢社会総合研究機構准教授の飯島勝矢医師は、血圧変動のエキスパート。血圧が時間単位や日単位でどう変化するかを追っていくことで合併症のリスクがどの程度あるかなど多くのことが分かるといいます。心臓の1心拍ごとに変化する血圧の細かな動きを知るには外来では限界があります。「変動をしっかり把握し、血圧をコントロールしていくには家庭での血圧測定は絶対に欠かせない」と飯島勝矢医師は話します。(インタビュー、構成=荻島央江)

 

■注目すべきは夜間から早朝にかけての血圧の管理具合

――血圧を管理する上では、家庭で血圧測定をすることが大事だそうですね。

病院やクリニックで血圧を測定する「外来血圧」より、自宅でリラックスした状態で測る「家庭血圧」のほうがより情報量が多く、さらに患者さん本人の抱えているリスクの大きさを把握できると考えられているからです。

診察室で医師や看護師など白衣を着ている人を前にすると緊張してその人本来の血圧よりも数値が高く出てしまう「白衣高血圧」や、その逆で病院では正常であるにも関わらず日常生活では高い「仮面高血圧」といったケースもあります。

それに、血圧は1心拍ごとに変化しています。朝や緊張しているとき、ストレスがかかっているときなどは高く、夜のリラックスしているときは低くなっています。その中でも特に注目すべきは夜間から早朝にかけての血圧の管理具合およびその変動の程度です。それを把握するためには外来では限界があり、やはり家庭での測定が基本となります。

――なぜ夜間から早朝にかけての血圧管理状況が大事なのですか。

高血圧により影響を受けやすい臓器としては「脳」「心臓」「腎臓」の3つが代表的です。なかでも高血圧が引き起こす合併症で怖いものは脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管疾患です。これらがどれくらい起きやすい状態になっているのかを予測する上で最も参考になるのが、夜間から早朝にかけての血圧の管理状況だからです。

 

■起き抜けと寝しなの測定が基本

――どのような点に気をつけて測ればいいですか。

起床時(起き抜け)と就寝前(寝しな)の2回測ってください。食事をしたり歩き回ったりすると安定した血圧が測れないので、安静な状態で測りましょう。朝も夜も同様です。

基本的には1回測っていただければ大丈夫です。ただ1回目の数値があまり良くないと「こんなはずない」と2回目を測る人は結構いらっしゃいます。その場合は、1回目と2回目の両方の数値をノートなどに記録してください。

よく2回の平均をメモしている患者さんがいらっしゃいますが、それでは意味があまりありません。血圧の管理が悪い人は2回目も数値は下がりにくい。医師の立場からすると両方の情報を知りたいのです。1回目が160で、2回目が140の人は、共に160の人より抱えているリスクは軽いでしょう。要は、きちんと下がる人なのか、そうではないのかを我々医師は見たいわけです。

絶対値はもちろん、夜間と日中でどれくらい差があるのかも重要です。通常は、日中の血圧に対して夜間の血圧が10~20%程度低くなります。それを生理的な変化として「Dipperタイプ」といいます。しかし、なかには夜間でも血圧が低くならない人や、むしろ上昇してしまう人、いわゆる「Non-dipperタイプ」の方々もおり、逆に夜間の血圧が20%以上過剰に下がってしまう人(いわゆるExtreme-dipperタイプ)がいます。

血圧が常に高い状態にあることや血圧の乱高下は、動脈硬化(動脈壁硬化も含む)が進んで血管が弱くなっている高齢者には特に大きな負担となり、血管が破れたり、詰まったりする原因になることがあります。

例えば、就寝時の血圧が120で起床時130の人と、就寝時の血圧は120と同じだが起床時に170とぐんと血圧が上がる「モーニング・サージ」の人とでは、脳卒中や心筋梗塞のリスクが大きく異なります。

実際、モーニング・サージに代表されるような起床後の血圧が高い「早朝高血圧」は、脳卒中を中心とする脳心血管イベントを起こしやすい集団だと証明されています。早朝高血圧は、外来血圧では十分反映されませんので、一見すると治療がうまくいっているように見えてしまいます。しかし、家庭血圧を測っていれば、より詳細な状態が正しく把握できるというわけです。

現在普及している自動血圧測定器は進歩して使いやすく、非常に正確に測れます。ぜひご自身の健康管理に役立ててほしいと思います。

――高齢期の健康を守るためには決して高い買い物ではありませんね。

家庭血圧からは、外来血圧では分からない情報が得られ、高血圧の診断と治療に大きな意義があります。日々記録を取りためたら、病院で専門家に見てもらってください。この場合も単に平均値を書くのではなく、測定した生の数値を記載するようにしましょう。なぜならば、血圧がかなり乱高下している人もバラつきが少ない人も平均してみると全く同じに見えてしまいますから。1回や2回の落第点があっても構いません。1日1日を見て一喜一憂するのではなく、ここ1カ月でどうか、2カ月でどうかという少し長い目で見ていきましょう。

――高血圧の治療においては家庭で血圧を測ることがいかに重要であるかについてお話しいただきました。とはいえ、家庭での血圧測定を日課にできる人はあまり多くはないようです。どうしたら継続できるのか。そのためには必要なものは何かを次回、飯島先生にお聞きします。

 

【話し手ご紹介】

 
飯島先生写真
 

東京大学 高齢社会総合研究機構
准教授 飯島勝矢氏

 
 

東京大学加齢医学講座講師、米国スタンフォード大学循環器内科研究員を経て、現職。
専門は老年医学、老年学(ジェロントロジー:総合老年学。特に(1)虚弱予防・介護予防の臨床研究(サルコペニア研究を含む)、(2)在宅医療推進と臨床研究およびその大学卒前教育や多職種連携教育、(3)千葉県柏市をフィールドとする課題解決型実証研究(アクションリサーチ)、(4)動脈硬化、特に血管壁硬化を基盤とする高齢者血圧変動



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