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30.生活習慣病治療の主役は患者 型通りの指導では患者は動かない 【医師 泰江慎太郎氏】

30.生活習慣病治療の主役は患者 型通りの指導では患者は動かない 【医師 泰江慎太郎氏】

2015年03月12日 (木) 07時00分配信 投稿日:15/03/12 07:00 icon_view 230view

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提供:株式会社ウェルビー


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銀座泰江内科クリニック(東京都中央区)の泰江慎太郎院長は、糖尿病と心臓病の専門医として「薬物療法」のほか、「食事療法」「運動療法」に積極的に取り組んでいます。とはいえ、その実践は一筋縄ではいきません。患者を動かすにはまずその心理ステージに注目すべきと泰江院長は話します。(インタビュー、構成=荻島央江)

 

■「分かってはいてもなかなかできない」

――糖尿病と心臓病の専門医として、普段どのような治療をされているのですか。

口幅ったいことを言うようですが、あの手この手を使って患者さんを動かすことをしています。生活習慣病の治療においては患者さんが主役で、医師はいわばコーディネーターです。なぜこうした考えに行き着いたのかと言えば非常に明白で、患者さんは日々の生活の99%を病院以外で過ごしているからです。

――糖尿病をはじめ生活習慣病の患者さんを多く診られています。治療にあたっては食事と運動が大事だと思いますが、「分かってはいてもなかなかできない」という人が少なくないのでは。

生活習慣病の場合、「薬物療法」「食事療法」「運動療法」の3つが治療の柱になります。これまで私が勤務してきた病院では薬物療法がメーンでしたが、それだけではよくならない患者さんが大勢いた。もっと食事や運動に積極的に介入していく必要があると考え、開業に至りました。

一言で介入といっても簡単ではありません。「腹八分にしてください」「1日30分歩いてください」といった型通りの指導をしても患者さんはまず動かない。ではどうするか。患者さんそれぞれのバックグラウンドや趣味嗜好に合わせたオーダーメードの治療を提供することでしょう。

それにはまず患者さんが今、どの心理ステージにいるかを把握し、適切に働きかけなければなりません。とりわけ食事指導に関しては非常に重要で、どういうタイミングでどう切り出すかには注意を払っています。

 

■今、どの心理ステージにいるか

――心理ステージとは何ですか。

そもそも1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルです。人が行動(生活習慣)を変えて維持できるようになるために、前熟考期→熟考期→準備期→実行期→維持期という5つの段階にあてはめて考えていきます。

糖尿病の患者さんに当てはめると、前熟考期は「考えてみたことがない、全く知らない」状態です。この段階では大抵自分の意思では病院へは来ません。

熟考期は「気にしてはいるが、まだ行動は起こしていない」、治療を始めたほうがいいかなと思っている状態を指します。このステージにある患者さんには、今の状態を話してもらい、何がよくないと思っているのか、自分がどうしたいのかを患者さん本人の口で語らせる。その上で「まずこれをやってみましょう」「クリニックに月1回来てみましょう」といった提案をしています。

準備期は「十分ではないものの、患者さんなりに少しだけ始めてみた」、行動期は「いよいよやりだした」という状態で、クリニックに来る患者さんのほとんどはこのステージにいます。この段階の患者さんは治療に意欲的なので、大まかにではなく、何を食べたらいいか、何をやめたほうがいいのか、それこそ何キロカロリーの食事、糖質は何グラムでといったレベルまでこと細かに伝えたほうが効果的です。

維持期は「生活習慣を改め、それを継続している」状態をいいます。維持期まで達すればそれでゴールなのではなく、各ステージを行ったり来たりするのは当たり前。だから維持期の患者さんには「波は誰にでもある。あまり根を詰め過ぎないで、長い目で見てやっていこう」と話します。年末年始など少し生活が乱れたことで数値が悪くなり、そこからガタガタとリバウンドしてしまう人もいますから。

クリニックで1年の始まりなどに実施しているのは、1年分の電子カルテを診察室にある52インチの大画面モニターに映し出して患者さんと一緒に見ることです。「去年はこんなことを言っていましたね」「体重が何キロ減っていますね」といった具合に振り返りや新たな目標設定に役立ちます。

単に「よくなっていますよ」と検査結果の用紙1枚を渡すより、数字や写真など可視化したデータを見て説明したほうが納得感や説得力がある。それが信頼関係や次の行動にもつながります。

――患者さんが段階を経て自分の病気にどう向き合っていくのか、それに対して医師の立場でどう働きかけているのかをお話しいただきました。次回は「食事療法」「運動療法」の具体的な取り組みについて、お聞きします。

 

話し手ご紹介

 
泰江先生
 

銀座泰江内科クリニック
院長・医学博士 泰江慎太郎氏
URL: http://ginza-ys-clinic.com/index.html

 
 

三重大学医学部医学科卒業、京都大学大学院医学研究科修了。京都大学医学部附属病院内科、社会保険小倉記念病院循環器科、京都大学内分泌代謝内科、国立循環器病研究センター病院糖尿病・代謝内科を経て、2012年5月に銀座泰江内科クリニックを開業、現在に至る



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