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38.1型糖尿病でもやりたいことはやれる 【エアロビック競技選手、1型糖尿病患者 大村詠一氏】インタビュー

38.1型糖尿病でもやりたいことはやれる 【エアロビック競技選手、1型糖尿病患者 大村詠一氏】インタビュー

2015年09月24日 (木) 07時00分配信 投稿日:15/09/24 07:00 icon_view 86view

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提供:株式会社ウェルビー


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エアロビック競技選手のほか、高校・短期大学の非常勤講師、大学の技術補佐員、患者支援団体専務理事など様々な肩書きを持つ大村詠一さん。今年9月には初の著書『僕はまだがんばれる』も出版した。
前回(「情報は最大の防御 貪欲に良い自分に合う主治医を探す」)は、発症したときの気持ちや、日々奮闘する大村さんに病気への向き合い方を伺いました。1型糖尿病患者だからこそできることも多いと話す大村さん。引き続き、新しい主治医に出会ってからの変化などを伺います。(インタビュー、構成=荻島央江)

 

■主体的に関わる心地よさ

――新しい主治医と出会って、どんなところが変わったのですか。

食事制限をせずに、食べた量に見合ったインスリン注射を必要に応じて打つようになりました。主治医任せでなく、自分で考えて治療にあたらなければならない大変さはあるものの、僕自身、以前より積極的に病気に向き合えるようになった気がします。結果的に、血糖コントロールは劇的に改善され、ガリガリだった体がたくましくなっていきました。

今はインスリンの注射の量も種類も自己管理しています。いまだ理想のコントロールの域には達していませんが、こればかりはトライ&エラーでやっていくしかない。もちろん数値が悪くて落ち込むときもあります。そんなときでも「あの食事のあれが悪かったに違いない。ここを減らせば改善するはず」といった具合に、自分なりに原因を追求し改善していく作業を楽しんでやるようにしています。

インスリン注射に関しては「親が管理するもの」「主治医の言われた通りにするもの」と考え、自己コントロールという意識がない患者さんもいます。今は昔に比べ、製剤や療法の選択肢は広がっているし、使えるデバイスもたくさんあるので、比較検討して積極的に試してみてほしい。今の治療方法がベストだと思い込まず、自分でも勉強して、むしろこちらから先生に「こうしてほしい」「これはどうか」と、どんどん提案してみてもいいと思います。

僕は「1型糖尿病でもこんなにできる」「日本一になれる」ことを証明したくて、中学生の頃から血糖コントロールをしながら、ずっとエアロビック競技に打ち込んできました。同時に、メディアなどで取り上げられることが増えるにつれて、「どんなことがあっても競技中に低血糖で倒れてはいけない」と思うようになりました。そんなことになれば、世間の人に「やっぱり1 型糖尿病患者がスポーツをするのは無理なんだ」と誤解されてしまいますから。

 

■不運だったけれど、不幸ではない

――「病気を受け入れられない」という患者さんにはどんな言葉をかけますか。

確かに、「治らない」というのは絶望を覚えるような事実ではあります。僕自身、それを知った8歳の時には、「どうして自分だけがこんな病気に……」と思い悩んだものです。ただ今は違います。インスリンさえあれば普通に血糖管理ができれば特に制限なく生活できるし、治すことは無理でも上手に付き合っていける。やりたいことをやれない病気ではありません。病気に向き合い、自分の人生や目標、夢に合わせた治療法を見つけていけばいいのです。

以前、患者団体「マイスター・ジャパン」の代表である能勢謙介さんは「この病気になって不運だったけれど、不幸ではない」と言っていました。そう思える人が増えるような環境づくりを日本IDDMネットワークとしては進めていきたいと思っています。

――今はどんな毎日を過ごしているのですか。

エアロビック競技選手として活動するとともに、熊本国府高校と西日本短期大学で非常勤講師として生徒や学生にエアロビックを指導しています。そして母校である熊本大学で物理研究室の技術補佐員として働きながら、1型糖尿病を世の中に広めていくため教育機関や医療関係のイベントなどで講演や実演活動も続けています。最近は日本IDDMネットワーク専務理事として動くことも増えていて、充実した毎日です。

病気になる前はどちらかと言えば大人しい少年でした。1型糖尿病にならなかったら間違いなく人前で話すなんてことはしていなかったでしょう。最初は強がって「病気は僕の個性です」と言っていたけど、だんだん心からそう思えるようになってきました。

 

話し手ご紹介

 
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1986年熊本県生まれ。熊本大学大学院教育学研究科修了。インストラクターをしている母の影響で4歳からエアロビックを始める。8歳のときに1型糖尿病を発症する。10歳からエアロビック競技に転向。2002、03年にスズキワールドカップ・世界エアロビック選手権大会ユースの部の世界チャンピオン、12年には妹2人とトリオ部門で3連覇、男子シングル部門で4年ぶり2度目の優勝を勝ち取る。
競技生活のかたわら、指導者としてエアロビックの普及、発展に努めるほか、1型糖尿病の啓発活動にも力を注ぐ。1型糖尿病患者をはじめとするインスリンが必要な患者とその家族の支援団体である「認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク」専務理事でもある。妻と1男1女の4人家族。2014年9月3日、著書『僕はまだがんばれる』(じゃこめてぃ出版)を発売。



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