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52.医療者や家族や仲間とつながることが治療のモチベーションに【患者 北原朋子氏】インタビュー

52.医療者や家族や仲間とつながることが治療のモチベーションに【患者 北原朋子氏】インタビュー

2016年01月20日 (水) 07時00分配信 投稿日:16/01/20 07:00 icon_view 72view

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提供:株式会社ウェルビー


tomoko_kitahara

 

1型糖尿病患者である北原朋子さん。
前回、今どのように糖尿病患者が生活と治療のバランスを図っているかについてお話いただきました。(前回記事:自己血糖管理は自分で実験して自分で能動的に行動を選択する)
今回は現在のバランスが取れるようになった経緯についてお伺いします。

 

■医療者のひとことがきっかけ

当初は厳密な血糖管理をしていた北原さん。

「糖尿病だと診断を聞かされたとき、自分で思うよりもショックだったんだと思います。ショック状態の所に糖尿病は何か、どのようなリスクがあるのかを聞かされました。今振り返れば、その医師は全く悪気がなかったと思いますが、当時の私は脅されたという印象を強く受けました。言われた様々なリスクや合併症を回避するためには厳しく管理しなくちゃ、という風に思ったんです。その後教育入院もしたのですが、『食事を自分で作りたくないな』『このまま退院したくないな』と思ったことを覚えています。」

退院後、厳密に口に入れるもの全てのカロリー計算をして健康管理していた北原さん。
HbA1cもよく、主治医からもほめられたといいます。
しかし精神的な負担で、社会生活に様々な影響が出ていました。
そんな彼女の生活が変わったのは、今の主治医との出会いからだといいます。

「『はじめて診察を受けたときに1型なのにHbA1cが良すぎること、無理しすぎているというのを見抜かれて、厳密な食事制限は必要ないんだよ、北原さんは1型なんだし、今の体重で痩せる必要はないじゃない。無理は続かないよ。今までに何人も無理な食事制限で限界を超えてコントロールを放棄しちゃった人を診てきたから。それよりも好きな物を食べて、その好きな食事にあわせたインスリンが打てればいいんだから。』と言われたんです。正直言って、今までとは全然違うあったかい言葉にボロボロ泣いちゃったことを覚えています。」

「『血糖値が高い時に、食事の注射1単位で血糖値がどれくらい下がるかやってみたら?』と教えてくれたのは1型の先輩です。リスクをとって自分の身体で実験をしろと教わったんです。私には最初それが信じられませんでした。しかし、主治医の言葉、1型の先輩のアドバイスをきっかけに自分の健康管理は自分でするしかないことに気づかされました。」

自分の健康管理を自分でするためには、まず自分のことを把握することが必要です。
そのために様々な実験をしたと言います。
そして、その次のステップはより自分のライフスタイルとのバランスを図って行くことでした。

「必要以上に血糖値の目標値を低くしすぎなくてよい、体重を絞りすぎなくてよいとのアドバイスも受けました。『時々ケーキを食べても良いじゃない』と言われたのはとても衝撃だったのを覚えています。自分で自分の健康管理を努力しているのだからこそ、コントロールできるくらいのリスクはとってもよい、ということを伝えようとしているのだと私はその時理解しました。」

その後、自分のしたいことはだいたいできるようになったという北原さん。
糖尿病であっても、大きな不自由を感じることは少なくなったと言います。

モチベーションは友達・家族が大きい
ちゃんと治療しよう、ちゃんと生活とのバランスをとれるようにしようと思ったのは周りの人達のサポートが大きかったと語ります。
友達や家族に、もちろん主治医にも支えられたからこそ、ちゃんと向き合おうと思えたと。

「苦しんでいることを共有できる1型の人が最初は周りにはいませんでした。その時は苦しかった。1型の友人をつくる事は一生の宝になります。
チャンスは行動しないとやってこないので、患者会とか勉強会には積極的に出てみましょう。
また、1型でない友達や家族には100%わかってもらえるとも思っていないけど、苦しい時があることは理解して欲しいと思います。」

 

■ご自身の苦しさを「ねん挫」に例える北原さん。

捻挫は、いつ、どのようなときに痛みを伴うかは本人にしかわかりません。
しかし、痛みを周囲が察して、必要なときにサポートをしてくれる環境は、生活がしやすくなるのではないでしょうか。
「1型糖尿病に対しても同じように接してくれれば」と語ります。

糖尿病になった人に対しては適切な管理で生活とのバランスがとれるのだということを伝え、他方糖尿病でない人に対しては、罹患時のリスクと予防策を伝えていかなくてはいけません。
一方で、糖尿病を理解して、患者に対して適切なサポートができる環境を実現すること、これらのメッセージをどのように社会に発信していくかが今後の大きな課題です。

 

■アプリやウェアラブルはあくまでも補助ツール

最後に、今でているアプリやウェアラブルの活用について話していただきました。
北原さんは、fitbitという活動量計を日頃から利用しています。
「つけはじめは、消費カロリーが驚くほど少ないことに気づかされました。あと、数字として見せられると『あとちょっとがんばろうかな』という気持ちにはなりますね。その日の歩数が少ないと、帰り1駅余分に歩くときも多いんです。」

一方で、一切運動をしなかった日に3000歩を記録したことがあり、信頼性はまだまだ発展途上だとも話します。

また、Welbyアプリをはじめとする糖尿病患者アプリに関しては情報を集約してグラフ化できることは便利だといいます。

「手で単位等を入力するのはやっぱり面倒だと思うんです。機器との連携などの自動化はどんどん進んでほしいですね。
ただ、状態を一目でパッと把握して、必要に応じて医師に見せられるのはやっぱり楽ですよね。」

活動量計やアプリは患者の補助ツールでしかありません。まずは患者本人が生活と治療のバランスを取ろうとすることを意識し、それをしっかりと支える医療チーム、そして家族・友人のネットワークが出来ることが重要であると思えました。
患者自身の治療と生活のバランスがとれ、より生き生きとした毎日を過ごす方が増えることを心から願います。

北原さん、インタビューに答えていただきありがとうございました。

 

<関連記事>
◆北原朋子氏インタビュー
「自己血糖管理は自分で実験して」
「Welby食事アルバム」×「Welbyシェア」がパワーアップ

<おすすめアプリ>
「Welby食事ノート」
「Welby食事アルバム」
「まいさぽレシピ」

 

話し手ご紹介

 
kitahara
 

1型糖尿病患者
北原 朋子
糖尿病患者会YOKOHAMA-VOX
URL:http://yokohama-vox.com/

 
 

1型糖尿病患者。YOKOHAMA-VOXをはじめ、糖尿病患者会の運営をサポートする。
日頃fitbitを活用するなど、いきいきとした生活の中で健康のバランスのとり方を常に実験している。



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