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日本臨床腫瘍薬学会レポート

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大会長・齊藤真一郎先生&実行委員長・野村久祥先生インタビュー

大会長・齊藤真一郎先生&実行委員長・野村久祥先生インタビュー

2017年05月18日 (木) 07時00分配信 投稿日:17/05/18 07:00 icon_view 1660view

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2017年3月18~19日「がんと生きる時代―薬剤師が紡ぐがん医療―」をテーマに開催された日本臨床腫瘍薬学会学術大会2017。今年の大会長と実行委員長を努められた齊藤真一郎先生と野村久祥先生のお2人に、現役薬学部4年生の“薬学ガール”白石由莉さんがインタビューを行いました。学術大会の特徴やこれからの薬剤師に期待することについてレポートします。
レポーター・インタビュアー:“薬学ガール”白石由莉




左から、大会長の齊藤真一郎先生、白石由莉さん、実行委員長の野村久祥先生



大会長&実行委員長インタビュー
―日本臨床腫瘍薬学会学術大会2017 in新潟 02―

目次
1.日本臨床腫瘍薬学会とは
2.大会テーマに込められた意味は
3.集まった演題やセミナーの特徴は
4.これからの薬剤師に期待されることは



1.日本臨床腫瘍薬学会とは

白石:今回の学術大会で大会長を務められた齊藤真一郎先生と、大会実行委員長の野村久祥先生のお2人に、学術大会の特徴や薬剤師に期待することをうかがいたいと思います。学術大会に参加できなかった全国の薬剤師に代わり、インタビュアーを務めます“薬学ガール”の白石由莉です。本日はよろしくお願いいたします。

齊藤野村:よろしくお願いいたします。

白石:齊藤先生にうかがいます。日本臨床腫瘍薬学会とは、どのような学会ですか?

齊藤:がん治療を安全・適性に行うために、薬剤師がスキルを身につけるための学会です。現在は、調剤薬局の役割が大きくなっています。病院の薬剤師だけでなく、薬局薬剤師にも専門性の高い知識を身につけていただき、患者さんのそばに寄り添って支援できるようになっていただきたいですね。

白石:がん治療薬のプロとしての知識と、患者さんへのサポート力が求められているのですね。それでは、今回の学術大会の特徴を教えてください。

齊藤:1つは、これからの課題になるであろうAYA世代の妊孕性や小児の患者さんにおける社会生活での問題点において、薬剤師がどのようにサポートしていけるかというテーマ、2つ目は、薬局薬剤師と病院薬剤師、そしてそのほかの医療者とも、どのように連携していくかというテーマが本学術大会にはありました。

白石:野村先生はいかがでしょう。

野村:JASPOにしかできないことをしたいという思いでつくりました。新しい知識を得るというだけではなく、例えば肝機能が低下した方や高齢者など、特別な対応が必要な患者さんに対して、どう薬剤師がかかわっていくかという課題や、これからがん医療で大きな役割を担う薬剤師として活躍できるよう、次のステップを学んでいく学術大会なのが特徴でした。




薬剤師の次のステップになるような大会を目指したと語る野村先生

2.大会テーマに込められた意味は

白石:大会テーマ「がんと共に生きる〜薬剤師が紡ぐがん医療〜」には、どのような意味が込められていたのでしょうか?

齊藤:薬剤師と薬剤師が連携して糸をつくる、そして他の職種とも連携して別の糸をつくる、それを縦糸と横糸のように薬剤師が紡いでいく、という意味をもたせました。また、今後重要となっていくのは、薬局薬剤師の患者サポートです。患者さんは時に、通院と通院の間に自宅で1人悩まれていることがあります。薬局薬剤師は地域の患者さんに最も近い存在ですから、次の診察までの合間に悩みを聞き、細かい指示をしてあげることが必要になってきます。それも“紡ぐ”ということですね。

白石:なるほど、医師と患者さん、そして患者さんが1人で悩む時間さえも紡いでいける存在が薬局薬剤師なのですね。



大会テーマの「紡ぐ」に込められた意図を語る齊藤先生

3.集まった演題やセミナーの特徴は

白石:次に、野村先生にうかがいます。集まった演題やセミナーのラインナップから、どのような感想をお持ちになりましたか?

野村:すべてのラインナップは、若い世代の薬剤師が悩んでいることや、聞きたいと思う内容となっていました。もちろん、私自身も聞きたいものばかりでした。今、話題となっていることを集められたという点では、非常に満足しています。しかし、実行委員長としての仕事があるため、私は何1つ聞きに行けなかったことが悔しいです(笑)。

白石:それは残念でしたね(笑)。では、この学術大会の「いつもとはここが違う」といった点を教えてください。

野村:初めて託児所を設置したことです。子育てをしながら薬剤師として働く女性のために設置しました。とても好評となっていましたよ。

齊藤:この学会の実行委員は30〜40代の若い人が中心です。臨床の現場で悩みながら活動している先生方が企画したプログラムだから面白い。敷居が高いと思わずに見ていただけると思います。

白石:私も本日参加して、親しみやすさがあると感じました。1日目を終えて、学術大会に参加された方からの反響はいかがでしたか?

野村:どのセッションも満員で、大盛況でした。ここまで参加者が多くなったのはうれしい悲鳴です。また、話題性のある演目が多く、面白いと感じていただけたようです。




参加者の多さは嬉しい悲鳴だったと語る両先生



4.これからの薬剤師に期待されることは

白石:それではお2人に最後の質問です。がんに関わるこれからの薬剤師に期待されることは何でしょうか。

齊藤:従来の抗がん剤に加え、最近では副作用の少ない分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤が登場してきました。これからもどんどん新しい薬が開発されていくことと思います。しかし、副作用は絶対になくなりません。患者さんの負担を軽減し、普段通りの生活をしながら治療を継続できるようにサポートすることを期待しています。

野村:がんを学ぶことは、まるで今の流行のようになっています。勉強することはもちろんいいことなのですが、“患者さんのために”という思いを忘れずにいてもらいたいですね。仕事をルーティンワークにしてしまうのではなく、患者さんの気持ちになって働ける薬剤師になっていただきたいと思います。

白石:私も、知識の更新を怠らず、患者さんの支えとなっていける薬剤師になりたいと思います。私はまだ学生ですが、学会は、その場の雰囲気を知るだけでも得るものがあると感じました。また来年も参加できればと思います。本日はありがとうございました。

レポーター・インタビュアー:白石由莉
写真・文:木口マリ

 


齊藤 真一郎(さいとう しんいちろう)先生
JASPO2017大会長
前 国立がん研究センター東病院 薬剤部長
昭和55年明治薬科大学を卒業後、国立病院に入職。国立がんセンター中央病院、国立国際医療センター、東京医療センター長、西新潟中央病院などに勤務、2016年3月家庭の事情にて国立がん研究センター東病院 薬剤部長を辞職、郷里の佐渡市へ。高齢化率40%を超える佐渡市において、高齢者をはじめ地域の方々の健康づくりの一助となるよう活動している

野村 久祥(のむら ひさなが)先生
JASPO2017実行委員長
国立がん研究センター東病院 主任
都内薬科大学を卒業後、15年間、都内大学病院に勤務。その後、現職。若いときから認定NPO法人キャンサーネットジャパンなどで、がん患者のボランティア活動を行う。現在、外来化学療法室に勤務し、毎日、化学療法患者さんの副作用マネジメントなど行っている。患者さんから本音で話してもらうよう、寄り添う薬剤師を目指している。趣味はマラソン、トライアスロン

 




【プロフィール】
白石 由莉(しらいし ゆり)
現役薬学部の4年生。薬学ガールとして、がん情報サイト「オンコロ」の学生スタッフ、日本肺癌学会肺がん医療向上委員会の広報大使を務める。勉強のこと、日々のこと、薬学ガールとしての活動などをFacebook、Twitterを通じて発信しています。
【薬学ガールFacebook

【薬学ガールTwitter


次回は、大会2日目に開催された市民公開講座「がんと生きる時代~薬剤師が紡ぐ癌医療~」をレポートします。

 

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