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日本臨床腫瘍薬学会レポート

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学会レポート_患者さんが安心してがん治療を受けられる環境をつくるために

学会レポート_患者さんが安心してがん治療を受けられる環境をつくるために

2018年04月13日 (金) 10時00分配信 投稿日:18/04/13 10:00 icon_view 1645view

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昨年に引き続き、日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)学術大会2018に参加した「薬学ガール」こと、現役薬学部5年生の白石由莉がお届けする最後の取材レポートです。
3回目は、学術大会の閉会式を終えたばかりの大会長:川尻尚子先生(東京歯科大学市川総合病院 薬剤部長)と、実行委員長:近藤直樹先生(国立国際医療研究センター病院 副薬剤部長)のお2人にお話しを伺いました。

レポーター・インタビュアー:“薬学ガール”白石由莉



大会長の川尻先生と実行委員長の近藤先生は、閉会式を終えたばかり




患者さんが安心してがん治療を受けられる環境をつくるために


【目次】

1.企画に3年、そして準備に1年半
2.学会は患者さんのためと薬剤師自身のためのもの
3.最高のOncology Pharmacistをめざして―原点から未来への飛躍―
4.がん領域を苦手にしないでください
5.インタビューを終えて・・・
6.理事長と来年の学術大会長にもコメントをいただきました!


1.企画に3年、そして準備に1年半

白石由莉(以下、白石):2日間にわたる学術大会お疲れ様でした。私は昨年の新潟での学会にも参加させていただき取材したのですが、これだけの規模の学会ですから、ご準備は大変だったでしょうね?

川尻尚子(以下、川尻):正直言うと大変でしたね(笑)。学術集会開催が決まったのが3年前、そして1年半前に実行委員会をスタートさせましたが、それこそ開催前日まで準備していたという気がします。
しかし、それぞれの委員の先生が分担してやってくれたので、本当に助かりました。実行委員長の近藤先生にご苦労かけました。

近藤直樹(以下、近藤):いえいえ私は何も(笑)。

白石:今回、私は学会の裏側(運営)も垣間見ることがありましたが、川尻先生も近藤先生も会長や実行委員長なのにこんなに忙しくされるんだと思っていました(笑)。


日本腫瘍薬学会への参加は2年目という白石さん


2.学会は患者さんのためと薬剤師自身のためのもの

白石:私は昨年も参加させていただき、学術集会に参加されている方々や、その様子について知ることができましたが、そもそも日本臨床腫瘍薬学会とはどのような学会で、そして学術集会とはどのような意味があるのでしょうか?

川尻:簡潔にいえば、がん患者さんに安全に最適ながん薬物療法を提供し、そして、患者さんが安心してがん治療を受けられる環境をつくるために薬剤師が日々考え、努力している学会です。

近藤:おかげさまで、この会期中に会員が3,000人となりました。そして学術大会の意味は、川尻先生がお話しされたように、この学会の目的に賛同された先生方が、年に一度、一堂に会し、日々の仕事や研究を発表し、これを共有し、意見交換を行うなどして、より良いがん医療の実現を目指すために必要な会と認識しています。

白石:そういう意味で、学会の存在は、薬剤師がより良いがん医療を提供する患者さんのためにということと、それを提供する薬剤師の学びのためにという意味があるのですね。


会員が3,000人を超えたことをお話しくださった近藤先生

3.最高のOncology Pharmacistをめざして―原点から未来への飛躍―


白石:今年の学術大会のテーマとそれに込められた思いは何でしょうか?

川尻:今年のテーマは「最高のOncology Pharmacistをめざして―原点から未来への飛躍―」とさせていただきました。今、免疫チェックポイント阻害剤の登場などにより、がんの薬物療法の領域は長足の進歩を遂げています。その他にも、既存の抗がん剤、分子標的薬剤など薬剤師として知っておくべき、学ぶべきことも多岐にわたるようになりました。

そのため、ここで今一度、患者さんに最高のがん薬物療法を提供するという原点にかえり、薬剤師として何ができるのかを考え、未来へ向けて大きな飛躍をするための大会にしたいという願いをテーマに込めました。

白石:そんな思いで川尻先生や近藤先生がつくられて、ご準備されてきた学会ですが、今まさに学術大会を終えたばかりですが、感想はいかがですか?

近藤:まずは、とにかくほっとしているということでしょうか? 閉会式でも申し上げましたが、この会期中に日本臨床腫瘍薬学会の会員も3,000名となり、参加者も3,000人を超えました。正直、川尻先生には失礼ですが、3,000人を超えるのはちょっと難しいかな?とも思っていましたが(笑)、役割、責務を果たせたのかなと思っています。

川尻:近藤先生も言われたように参加者3,000人、会員数も3,000人、6年間でこの規模に来たことを素直に嬉しく思います。しかし、学会は3,000人を超えるあたりから、今後も学会として成長していけるか、そうならないかの重要な時期に差しかかると思います。来年以降も、これまで通り活気ある学会であってほしいなと思っています。


薬剤師として、ずっとがんの領域にかかわってきたという川尻先生

4.がん領域を苦手にしないでください


白石:最後に私のような薬学を学ぶ学生や、若い薬剤師さんに向けてのアドバイスやメッセージをお願いします。

近藤:それは、学会の立場としてですか?

白石:はい。私は今年から実習にも出ますし、2年後には国試や就職があり。いろいろ個別にも聞きたいのですが、それはインタビューを終えてからお願いします(笑)。

近藤:わかりました(笑)。学会の立場と現役の薬剤師の立場から言うと、必ずしも薬剤師で、がん領域を専門としている者は多くないと思います。また、がん領域を担当しない薬剤師、苦手意識をもっている薬剤師も多いと思います。

しかし、今、日本は2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代となっていて、がん患者さん、がん領域にまったくかかわらない薬剤師はいないのではないかと思います。おそらく、これから由莉さんの経験される実習でも、がん領域にまったく触れずに終わるということはないと思います。

実際に、「がん領域はちょっと苦手です、難しいです」といったことが言えない時代になってきていますから、ぜひ由莉さんのような学生さんや若い人には興味をもってほしいと思います。

川尻:私自身は、ずっとがん領域、がんの患者さんにかかわってきた薬剤師人生でした。もう20年以上になるでしょうか。そんな経験を通して、薬剤師が患者さんとかかわる、お話しできるということは、とても大事で、貴重な経験であったなと今更ながら思います。

患者さんがいるからこその薬剤師なので、つらいこともたくさんありますが、それ以上に学ぶこと、楽しいことが多いものです。仕事をしていて何度も感激し、感動することがありました。由莉さんや若い人たちには、どうか仕事を通して学び、感動や感激を知ってもらいたいと思っています。

白石:学術大会の閉会式を終えた直後にもかかわらず、お時間をいただきありがとうございました。ぜひ、機会があれば、来年もそれ以降も日本臨床腫瘍薬学会に参加できればと思います。



患者さんのためにも、学会を役立ててほしいと話す両先生方

5.インタビューを終えて・・・


日本臨床腫瘍薬学会学術大会に参加するのは、昨年の新潟に続いて2回目でしたが、学会に参加することで、がん領域の進歩が理解でき、また、今、がん領域で、何が重要なテーマとして取り上げられているのかということがわかりました。

現在、医療の領域ではAIの導入、IT化による薬剤師の業務の効率化などが話題になっていて、私たち学生も将来の科学の進歩に興味はある一方、薬剤師の仕事はどうなるんだろうという不安にもつながっています。しかし川尻先生、近藤先生がお話しになられたように、専門性をもって薬剤師として患者さんに接すること、これは変わらないのだろうと感じました。
今年から私は実習に入ります。今年もとても良い経験となりました。





6.理事長と来年の学術大会長にもコメントをいただきました!


日本臨床腫瘍薬学会理事長:遠藤一司 先生/日本病院薬剤師会 専務理事(写真右)、日本臨床腫瘍薬学会学術大会2019 大会長:田﨑嘉一 先生/旭川医科大学病院 教授・薬剤部長(写真左)

遠藤一司先生より:多くの方に参加していただき、日本臨床腫瘍薬学会会員も3,000名を超え活発になってきました。この盛り上がりが最終的に患者さんのケアにつながれば、と思います。

田﨑嘉一 先生より:来年は「協働と連携による最適ながん薬物療法の推進―希望と安心を患者へとつなぐ―」とのテーマで、開催に向け鋭意準備を進めています。札幌で皆さんをお待ちしています。 
 

【日本臨床腫瘍薬学会学術大会2019の開催概要】
会期:2019年3月23日(土)~24日(日)
会場:札幌コンベンションセンター




レポーター:白石由莉





【プロフィール】
白石 由莉(しらいし ゆり)
現役薬学部の5年生。薬学ガールとして、がん情報サイト「オンコロ」の学生スタッフ、日本肺癌学会肺がん医療向上委員会の広報大使を務める。
勉強のこと、日々のこと、薬学ガールとしての活動などをFacebook、Twitterを通じて発信しています。
【薬学ガールFacebook】
【薬学ガールTwitter】

 
 

著者:白石由莉

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