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Part3_管理栄養士がサポートする地域での栄養管理

Part3_管理栄養士がサポートする地域での栄養管理

2018年10月22日 (月) 10時00分配信 投稿日:18/10/22 10:00 icon_view 279view

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(左から)安齋あずさ部長、武藤輝美管理栄養士、佐藤直子薬局長


地域からの要請が増える管理栄養士の派遣

医薬品卸売事業を基盤にさまざまな事業を展開する東邦薬品株式会社では、医療トータルサポートの一環として「ホームドクターサポートシステム」を展開、管理栄養士チームを組織し、お得意先へ訪問しています。

「チームには56名の管理栄養士が在籍しています。現在60件ほどの訪問を行っており、その4分の1が薬局、残りがクリニックに対するものです。薬局への訪問では、月に1~2回設けられた健康相談日で栄養指導を行ったり、薬局に常駐して相談業務にあたるケースもあります。最近では、『健康サポート薬局』を申請するため体制整備を図る薬局もあり、ニーズは増えているように感じます」

このように話すのは、同社共創未来グループ医薬人材開発部の安齋あずさ部長。自身も管理栄養士の資格を有するグループのまとめ役です。

地域包括ケアシステムの構築が進められる時代において、在宅で療養する患者さんは増加しています。生活習慣病や慢性疾患を抱える患者さんはもとより、がんの術後やターミナル期にある患者さんなどもおり、その多くは栄養管理を要しています。
しかし、患者さんが日常的に利用する地域のかかりつけ医や調剤薬局では、栄養管理を担う人材が十分に配置されているとはいえません。そのような現場の求めに応じて管理栄養士チームが現場に赴き、在宅患者さんの栄養管理をサポートしています。


調剤薬局での管理栄養士による栄養指導の実際

永生薬局(東京都台東区東上野)には、2017年4月から管理栄養士チームの一員が常駐しています。
同薬局を利用する人の多くは糖尿病患者さんです。糖尿病は、薬物療法や運動療法と並び、栄養療法が治療の柱となっていますが、それには日常的なセルフコントロールが重要で、悩みをもつ人は少なくありません。

「先日、3食とも制限を守って食べているのに血糖値が安定しないという患者さんが来られました。よく話を聞いてみると、おやつを食べていたんです。それが原因だということがわかり、患者さんも納得されて指導に耳を傾けていました。
管理栄養士と話すことが患者さんに気づきをもたらし、それがセルフコントロールを高めるという効果に結びつくような気がします」

こう話す武藤輝美管理栄養士は、2018年5月から同薬局に出向し、糖尿病患者さんをはじめ、さまざまな患者さんの求めに応じて意欲的に栄養指導に取り組んでいます。

アルブミン値が低めで低栄養気味の状態がなかなか改善できないという糖尿病患者さんは、教育入院時は1食の主食が白米100グラムだったのでと、頑なにこれを守っていました。入院時とは生活状況は変化しているのだからと話し、現状に合わせた適正食事量を提示すると、患者さんは「こんなに食べられるの」と驚き、喜んで改善に取り組んだといいます。

「糖尿病患者さんでも、糖質やカロリー制限ではなく栄養補給の必要なケースは少なくありません。そんなとき、手軽に食事に組み込める栄養補助食品として『クリミール』をお勧めしています。8つの味のバリエーションとすっきりタイプがあるので、患者さんも好みに合うものをみつけやすいようです。夏になると食欲がなくなる私の祖母も愛飲しているんですよ」(武藤管理栄養士)

同薬局では、慢性腎臓病(CKD)やがんの患者さんの利用も少なくありません。極端なタンパク制限をしすぎて低アルブミン状態になってしまったCKD患者さんや、胃がんの術後で食事量が急激に減少してしまった患者さんなどにも、『クリミール』を勧めることがあるそうです。

「125mLのコンパクトサイズでバランスよく栄養が取れるので、食が細くなった方も飲みきることができます。在宅療養の場合、食事がうまくいかないと、介護するご家族の心配にもつながってしまいます。食べきる(飲みきる)ことは、栄養補給だけでなく達成感にもつながり、患者さんと家族の励みになるんです」(安齋部長)
 

 
栄養相談に使用する資料は目で見てわかりやすいものを心がけています


地域の調剤薬局で行う栄養相談の意義と効果

管理栄養士の導入について、同薬局の佐藤直子薬局長は次のように話します。
「糖尿病患者さんが多いことから、食事に関する相談はたびたびありました。そのようなときは、薬剤師が食事療法の概要について話をしていたものの、献立の工夫や食べ方など具体的なアドバイスには至らなかったんです。でも、管理栄養士が常駐している現在は、患者さんの個別性に合わせた細かな指導ができるようになりました。調剤中にちょっとだけのつもりが、30分~1時間もの相談になってしまうこともしばしば。薬剤師が薬を渡すのを待っていることもあります(笑)」

最近では、管理栄養士が常駐していることを知り、同薬局を選んで訪れたり、電話で相談をする患者さんもいるそうです。

「イレウスを発症して食事を怖がっている父親に何を食べさせたらよいか、がんの術後でやせて体力が落ちてしまったなど、患者さんや家族の悩みは切実です。そんな悩みを軽減できる身近な場が求められていたのだと思います」(佐藤薬局長)

管理栄養士がいることは、薬局経営上もメリットがあります。栄養相談が処方薬を受け取りにきた患者さんのリピートにつながったり、定期的に実施している栄養相談会が新規の患者さんの獲得に結びつくなど、栄養指導は集客効果ももたらしているといいます。また、管理栄養士がいることで、薬剤師は安心して調剤等に専念でき、作業効率も高まっています。

「食事は毎日の生活の一部です。患者さんの何とかしたいという意識は高い。ですから、当薬局は患者さんの『今知りたい!』という気持ちに答えられる薬局でありたいと思っています」(佐藤薬局長)



 管理栄養士による患者さんへの栄養相談には、向き合って座りゆっくり会話できるようしています


これから目指す地域での栄養指導のあり方

同チームは、現在は薬局やクリニックへの派遣対応を行っていますが、将来的には訪問薬剤師への同行や訪問看護ステーションとの連携にも目を向けていきたいと考えています。

「自宅での療養では、まずは困っていること、例えば家事支援や入浴支援などに対する支援が検討されることが多くなります。どうしても栄養管理は後回しになりがち。でも、長い目でみれば、栄養状態の改善は、サルコペニア(筋肉量の減少による全身の筋力および身体機能の低下)や病態の悪化の予防につながります。在宅医療・介護にかかわる多職種の皆さんにも、そういった認識をもっていただき、連携を図っていければと考えています」(安齋部長)


取材:東邦薬品株式会社 医療人材開発部 管理栄養士チーム
   株式会社コクリーボ 永生薬局
提供株式会社クリニコ



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連載:在宅高齢者の栄養状態の維持改善・向上をめざして
「Part1_調剤薬局としての取り組みと工夫」はこちら
「Part2_訪問薬局としての取り組みと工夫」はこちら

 

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