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抗菌薬適正使用が新段階‐薬剤師参加の「AST」推進へ‐日本化学療法学会総会

2015年06月10日(水)10時00分配信 配信日:15/06/10 10:00 icon_view971view icon_view971view

■医師と診断、治療を支援

抗菌薬の適正使用を推進するため、チームを組んで介入するスチュワードシップ(AST)の活動が新たな取り組みとして注目を集める中、6日に都内で開かれた日本化学療法学会総会では、薬剤師がどう介入して役割を果たしていくべきかについて議論した。薬剤師が医師と感染症の診断、治療を支援していくASTの考え方は、まだ日本で普及していないのが現状。討論では、「抗菌薬のTDM、投与量調節で医師の信頼を得て、施設の実情に合わせてASTの活動を広げていくのが現実的ではないか」との意見で一致した。

米国感染症学会は2007年、抗菌薬適正使用を推進するための具体的な活動内容を示したプログラムを提唱。大きな戦略として、介入とフィードバック、院内採用医薬品集(フォーミュラリー)の作成と抗菌薬使用制限が打ち出されている。感染症の拡大防止を目指し、看護師を中心にコントロールする感染制御チーム(ICT)と違い、医師と薬剤師による感染症の診断、治療を目的とした活動がASTであり、既に欧米で普及が進んでいる。

前田幹広氏(聖マリアンナ医科大学病院薬剤部)は、ASTに関するガイドラインで「臨床薬剤師が必須」と明記されていることを指摘。薬剤師の介入により、不適切な抗菌薬が中止になったことなどのデータを示し、薬剤師の役割は大きいとした。

その上で、「感染症を理解するためには、ジェネラリストとしての知識、経験が必要」と強調。米国でも昨年度のレジデントが62人しか育成されていない現状を示した上で、ASTプログラムの実践に必要な専門薬剤師の不足を指摘。リーダーシップを発揮する感染専門薬剤師の育成が必要と提言した。

前田真之氏(昭和大学薬学部薬物療法学講座感染制御薬学部門)は、同大病院で発足したASTの活動を紹介。既に世界的にASTの実施状況が拡大しているとしつつ、「人的資源、医療制度が米国と異なる」と指摘。日本の実情に合わせて導入する必要があるとした。血液培養陽性患者のラウンド活動により、持続性菌血症、感受性のない薬剤の投与が減少した等の成果を示し、「患者のアウトカムを改善する活動を行い、それを評価する仕組みが重要」とアウトカムの重要性を訴えた。

また、大学病院、中小病院における抗菌薬適正使用の取り組みが、岐阜大学病院薬剤部の丹羽隆氏、鹿児島厚生連病院薬剤科の佐多照正氏、JCHO四日市羽津医療センター薬剤科の片山歳也氏から報告された。

討論では、まだ日本では活動が少ないASTの実践に向け、薬剤師がいかに介入していけばいいのかが議論された。

片山氏は「血液培養陽性例への介入は、診断に踏み入るため難しい」とした上で、「菌血症への抗菌薬選択、PK/PDに基づいたアプローチや投与量適正化を行い、医師の信頼を得てから、次のステップに進んだらいいのではないか」との考えを示した。

丹羽氏も「抗MRSA薬の投与量調節から取り組みの第一歩を踏み出している。そこから拡大していくのが現実的な方法ではないか」と提案。昭和大の前田氏は、介入のきっかけには薬剤ベース、微生物ベース、疾患ベースがあるとして、「どれを実践するかは施設の実情に合わせればいいのでは」とした。

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写真:今後の薬剤師の課題などを話し合った


(情報提供元: 薬事日報)

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