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HER2の測定方法の違いによって、乳がんへのトラスツズマブの効果を予測

2015年07月03日(金)10時00分配信 配信日:15/07/03 10:00 icon_view1294view icon_view1294view

HER2が過剰発現している乳がん患者は、トラスツズマブ(市販名ハーセプチン)療法の適応となる。しかし、HER2タンパク陽性と判定された患者でも、発現する細胞領域によりトラスツズマブの治療効果に差が出る可能性が示された。米国とギリシャの研究者によるこの報告は「Journal of the National Cancer Institute」誌電子版に5月19日掲載された。

 

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写真はイメージで、記事と直接の関係はありません。(写真:Juhan Sonin/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般)

 

HER2の細胞外ドメイン(ECD)に結合するトラスツズマブ

トラスツズマブはHER2タンパクを狙って攻撃し、がん細胞の増殖を抑える分子標的薬である。HER2タンパクには、細胞内、膜貫通、細胞外の3つのドメインがあり、一般的な検査では、HER2細胞内ドメイン(ICD)を測定する。検査によっては細胞外ドメイン(ECD)を測定するものもある。

トラスツズマブはこのECDに特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体であるが、これまでの研究ではどちらの検査法でも検査結果に違いはないことが示されていた。

 

■ECDを失っている場合も

今回の研究では免疫蛍光測定を用い、ICDとECDの発現状況の違いがトラスツマブによる治療効果に影響するかどうかを調べた。

補助化学療法後にトラスツズマブ療法を受ける臨床試験に登録したギリシャの乳がん患者180人の検体について、組織マクロアレイによる定量的免疫蛍光法を使い、ICDとECDの発現を調べた結果、患者の15%では腫瘍細胞にICDのみが発現しており、ECDは切断され失われていることがわかった。

 

■ECD高発現は長期無病生存期間に関連する

トラスツマブが認識するHER2の細胞外ドメイン(ECD)の高発現は、長期の無病生存期間と有意に相関していたが、細胞内ドメイン(ICD)の発現との相関はなかった。一方、ECDの発現量が低い患者の無病生存期間は、ICDの発現状況による影響はなかった。しかしながらICDとECDがともに高発現の患者では、無病生存期間も長かった。

こうした結果から、ICDを調べた検査でHER2陽性と判定された場合、ECDの発現量が低く、トラスツズマブの効果が発揮されない可能性が示唆された。

 

■ドメインごとの発現検査は有用

研究者らは、乳がん患者はHER2タンパクの発現を検査するだけでなく、分子標的薬が結合するHER2の細胞領域を調べることが重要だと話している。ECDを失った患者には、ICDに結合するラパチニブ(商品名タイケルブ)がより効果的な可能性があり、今後、HER2タンパクの領域を特定して検査することで、さらに正確な効果予測が可能となるかもしれないと指摘した。

 

(Navigene編集部)

 

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(情報提供元: ナビジーン)

 

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