医薬品/医薬部外品
エーザイ、リンパ系フィラリア症治療薬の無償提供を開始


エーザイ株式会社は29日、リンパ系フィラリア症治療薬である「ジエチルカルバマジンクエン酸塩(略称:DEC)100mg錠」について、世界保健機関(WHO)への無償提供を開始したと発表した。開発途上国及び新興国における、WHOの同症制圧活動、グローバル制圧プログラムを支援する。
「DEC 100mg錠」はエーザイがインド・バイザッグ工場で製造しているもの。初の提供出荷先は、パプアニューギニア、キリバス、ツバル、フィジーの4カ国としている。これらの国々では約625万人の人々が感染リスクにさらされているとされ、集団投薬プログラムの対象となっているという。
■22億錠の提供契約を締結
リンパ系フィラリア症は、いわゆる「象皮病」として知られるもので、蚊を媒介にヒト感染する。感染するとリンパ系機能障害を発生し、痛みと身体の一部に異常肥大を伴うリンパ浮腫など重篤な身体障害があらわれる。現在、世界では約1.2億人が感染しているとみられ、さらに感染リスクにさらされているのは14億人以上ともいわれている。
治療薬の一つであるDEC錠は、高品質な製品を安定的に手に入れることが世界的に困難な状況にあり、疾患制圧を目指す上で大きな障害となっている。エーザイでは、インド・バイザッグ工場で本年8月よりDEC錠の生産を開始しており、今後WHOの集団投薬プログラムにしたがって、蔓延国26カ国で感染リスクにさらされている、2.5億人の人々に向け、2020年まで7年間にわたる継続的な無償提供を行っていくとしている。
エーザイは、2020年までにリンパ系フィラリア症を含む顧みられない熱帯病(NTDs)10疾患の制圧を目指す国際官民パートナーシップ「ロンドン宣言」に署名、積極的パートナーとして活動している。DEC錠については、各国の集団投薬プログラムでの利用を目的に、22億錠の無償提供契約をWHOと締結しているという。
エーザイでは、今後もNTDsを含むグローバルヘルスにおける課題に積極的に取り組み、世界の患者とその家族のベネフィット向上に貢献することを目指していくとしている
(情報提供元:エスタイル)
回答:0件
コメントの書込み・閲覧には会員登録(ログイン)が必要です