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日本医療機能評価機構  産科医療補償制度再発防止報告書発表

2012年05月17日(木)17時00分配信 配信日:12/05/17 17:00 icon_view802view icon_view802view
■補償と原因分析のための重要な制度

2009年1月から始まった「産科医療保障制度」は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児と、その家族の経済的負担を補償し、原因を分析するとともに、再発防止に関する情報を提供するための制度です。

運用開始以来、2012年3月現在までに、287件を補償対象とし、2011年8月には、2012年12月末までに公表した原因分析報告15件をまとめた、第1回報告書を公表しています。

この度公表された第2回報告書では、2011年12月末までに公表した原因分析報告79件を分析対象としていますが、今回の報告では、「吸引分娩について」「常位胎盤早期剥離の保健指導について」「診療録などの記載について」の、3つのテーマが取り上げられています。

■吸引分娩は判断を適切に、適正な方法で行うこと

今回の分析対象となった79件の内訳は、2009年に出生した児の事例が76件、2010年に出生した児の3件となります。

脳性麻痺発症の主な原因は、分娩開始前または分娩中の胎児機能不全や胎児低酸素等で、そのうち、主な原因が明らかになった事例は58件となります。

また、79件のうち、常位胎盤早期剥離を認めた事例は20件、吸引分娩が行われた事例は19件(12件はクリステレル胎児圧出法を併用)でした。

吸引分娩が行われた事例は19件では、帝王切開術が必要となった事例が8件、総牽引時間が20分を超えた事例が3件、吸引が6回以上施行された事例が2件あり、また児に帽状腱膜血腫が発症した事例が4件、そのうち2件で児に出血性ショックが起こり、脳死麻痺の発症に関連した可能性があるとしています。

このことから、
・「産婦人科診療ガイドライン」では吸引分娩総牽引時間20分以内、吸引分娩術回数5回以内ルールとあるが、それ以内であっても見直しは重要。吸引分娩施行中は随時分娩方法の見直しを行う
・クリステレル胎児圧出法の併用は胎児の状態が悪化する可能性があることを認識する ・吸引分娩により出生した児は、一定時間注意深く観察する

ことを求めています。

■79例中、診療記録の記載漏れは31件

なお、診療記録への記載漏れについても指摘されており、胎児徐脈等の異常出現時の記載が不足、分娩誘発・促進の処置や急速遂娩施行等の判断と根拠や内診所見の記載の不足、新生児の蘇生状況の記載が不足している事例がありました。

このことから、産科医療機関関係者に対して
・「産科医療補償制度の原因分析・再発防止にかかる診療録・助産録および検査データ等の記載事項を参考に診療記録等を記載する
・異常出現時の母児の状態、および分娩誘発・促進の処置や急速遂娩施行等の判断と根拠や内診所見、新生児の蘇生状況については詳細に記載する

ことを求めています。

(情報提供元:エスタイル)

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