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客観的指標で業務評価を‐薬剤師の介入、質向上に貢献‐医療薬学フォーラム2015

2015年07月08日(水)10時01分配信 配信日:15/07/08 10:01 icon_view518view icon_view518view

薬剤師の業務による効果を客観的な指標で評価することの重要性が、4、5日に名古屋市で開かれた医療薬学フォーラム2015のシンポジウム「日常薬剤業務において得られたクリニカルエビデンス」で強調された。客観的な指標による評価は、薬剤師の介入が医療の質的向上に貢献することを理解してもらったり、その介入方法が適切かどうかを判断したりするのに役立つという。介入方法や対象患者ごとに適切な指標を構築する必要があるとされた。

二村昭彦氏(藤田保健衛生大学七栗サナトリウム医療技術部薬剤課)は終末期癌患者に対するステロイド適正使用の取り組みを紹介した。ステロイドは食欲不振や全身倦怠感など様々な苦痛症状を改善することで知られている。しかし、長期使用による弊害も考えられるため二村氏は2009年から、原則2週間以上の連続投与を行わないよう医師への働きかけを開始した。

「呼吸困難や吐き気には有効性が証明されているので積極的に使うが、だらだらと長く使うのではなく限定的に使う。食欲不振などに対しては終末期に関しては有効性があまり証明されていないし、鎮痛補助薬としての作用もあまり証明されていないため、これらはできるだけ早く評価し中止することにした」と二村氏は語った。

09年から13年までの5年間、緩和ケア目的で入院した1758例を対象に、その介入の効果を評価した。介入の結果、ステロイドの使用患者数や使用量は減少。使用傾向は、従来の長期・低用量使用から、短期・高用量使用へと変化した。

また、終末期癌患者に特徴的な痛み、倦怠感、呼吸困難、気分の落ち込み、不眠、食欲不振、嘔気、便秘、口渇の9項目の症状発現を、患者のフェイススケールで評価したところ、それぞれ段階的に減少していった。倦怠感、食欲不振などの改善を目的にステロイドを処方していたはずが、むしろ「あまり使わないことによって症状の発現が低下した」と二村氏は強調した。

緩和ケアの領域はエビデンスが少ない。これらのデータによって医師は、ステロイドの効果や適切な使い方を認識したという。

ヨーロッパのガイドラインでは、ステロイドの長期投与は副作用や筋力が低下することがあるため、2週間以内での使用が推奨されている。自施設での介入効果を客観的な指標で評価したことによって「ステロイドの使用は総合的症状緩和の観点から有用だが、終末期の患者には限定的な使用が推奨されることが分かった」と二村氏は話した。

若杉吉宣氏(滋賀医科大学病院薬剤部)は、外来癌患者に対する薬剤師介入の効果を提示した。同院の薬剤師は、医師の指示後、本格的な診察前に行われる抗癌剤点滴中に患者のもとを訪れ、内服薬剤のコンプライアンス確認、副作用モニタリング、服薬指導を実施。必要に応じて医師に処方提案を行い、95%以上が医師に採用されている。

処方提案が副作用や痛みの改善に役立ったのかどうかを、有害事象14項目のグレード評価と、患者がフェイススケールで表現した痛みの評価によって解析した結果、50・8%で有害事象のグレードとフェイススケールの改善が認められた。46・9%は不変だったが、このうち約4割の症例で自覚症状が改善していた。これらを合計すると全体の69・5%で何らかの改善が認められた。

これらの客観的なデータから若杉氏は「薬剤師が外来癌化学療法に介入することによって効果的な副作用管理、疼痛管理を行うことができる」と話した。

鈴木昭夫氏(岐阜大学病院薬剤部)は、耳鼻科病棟では常駐薬剤師によるモニタリングと処方提案によって有害事象の発現率が低下し、入院期間の短縮にも貢献している可能性があると語った。一方、教育入院が中心になる糖尿病内科病棟では、入院期間の短縮には貢献できなかったが、薬剤師の指導によって糖尿病患者の再入院までの期間を延長できる可能性があったとし、各病棟の特徴に応じて「薬剤師のアウトカムの指標を考えていかなければならない」と呼びかけた。


(情報提供元: 薬事日報)

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