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薬剤誘発の認知機能障害、治療へのヒント

2011年10月31日(月)17時00分配信 配信日:11/10/31 17:00 icon_view931view icon_view931view
■薬剤誘発の認知機能障害に新たな発見

慶応大学医学部の仲嶋一範教授らと名城大学薬学部津の鍋島俊隆教授らの研究チームが、薬剤誘発の認知機能障害の予防手段を発見した調査報告が、アメリカの神経科学雑誌「The Journal of Neuroscience」10月5日号に掲載された。

認知機能障害は、思春期から40代までの間に多く発症する統合失調症の主症状である。日本では有病率は約1%とされている。記憶力、注意力、判断力の知的能力の低下をきたす認知機能障害のほか、幻覚や妄想、興奮状態などの陽性症状と、無気力、感情薄弱化、自閉などの陰性症状が見られる。

■フェンサイクリジンによる薬剤誘発の認知機能障害

これまでの調査で、フェンサイクリジンという有機化合物が、抑制性神経細胞の機能低下を招き、興奮性神経細胞とのバランスが乱れることが、認知機能障害の原因の一つであるということが分かっていたため、マウスにフェンサイクリジンを投与し、認知機能障害のモデルとして研究に用いた。

フェンサイクリジンは、麻酔作用を持つ有機化合物質で、以前は麻酔薬として用いられていたが、副作用のため人体への使用が禁止された。しかし、その後は幻覚剤としての乱用が問題となっている。

■マウスの大脳に移植して細胞の働きを調査

仲嶋教授らは、内側基底格原基という、抑制性神経細胞のもととなる細胞群を、フェンサイクリジンによる認知症になったマウスの大脳の前頭前皮質に移植した。この結果、内側基底格原基から抑制性神経細胞が産生され、これが脳内の神経回路として定着し、興奮性神経細胞とのバランス調整が回復するため、フェンサイクリジンによる認知機能低下が起こりにくくなった。

■治療への活用の期待

今後は、前頭前皮質で、抑制性神経細胞の増加を促進させることによって、認知機能障害の低下が防げる可能性が示唆されたので、薬剤を用いて前頭前皮質で、抑制性神経細胞の増加をさせる方法などを見出せれば臨床への活用が期待できるとされている。

(情報提供元:エスタイル)

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