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分子標的薬に抗生剤等組み合わせた三者併用 皮膚障害対策

2012年03月23日(金)17時00分配信 配信日:12/03/23 17:00 icon_view980view icon_view980view
■分子標的薬による皮膚障害をテーマにセミナー開催

2012年3月16日、東京でメディア向けに抗がん剤による皮膚障害の現状と対策をテーマに、セミナーが開催された。

分子標的薬と呼ばれる、新しいタイプの抗がん剤は、がん細胞特有の分子を攻撃する。現在すでに承認されているが、皮膚などの正常な細胞も攻撃してしまう点では、未完成で、これによる皮膚細胞の対策が医療現場の大きな課題となっている。

■三者併用が有効

セミナーでは、国立がん研究センター東病院消化管腫瘍科の吉野孝之医長が、大腸がんの治療に用いるセツキシマブとパニツムマブでの現状の報告を元に、分子標的薬の開始時より、皮膚障害に対する予防策「三者併用」をとる必要性を強調した。

セツキシマブとパニツムマブは、がん細胞に過剰に出る上皮細胞増殖因子受容体分子を攻撃、増殖を抑えることで、手術適応のない再発大腸がんの生存期間を6ヶ月から24ヶ月に延長した実績がある。ところが、皮膚・毛・爪でも増殖や分化が抑制されるので、顔面などの皮疹・指の亀裂・爪周囲の炎症といった副作用の発現率が高い。

これらの皮膚障害は、分子標的薬の使用当日から、抗生物質ミノマイシンの内服と、保湿剤・ステロイドの塗り薬を用いる「三者併用」で、激減もしくは状況の改善を図ることができるとした。

さらに、この2剤の効果が出るのは、約6割と言われているが、吉野医師によれば、遺伝子検査を行うことで、適応のない患者をふるい分けることができるため、効果のない人に使用することを避けられると指摘した。

■皮膚科医対象の調査では、勤務で適切な知識と実践

一方、東京女子医大皮膚科の川島真教授は、皮膚科医を対象に行なった調査結果を報告した。これは、勤務医と開業医の、分子標的薬による皮膚障害の経験や対応をアンケートで回答してもらったもの。

勤務医では、分子標的薬による皮膚障害の患者を年間10例ほど経験しており、三者併用の知識・実践もなされていたが、開業医では経験数は約半数で、併用薬剤でも選択が不十分なものがあり、治療内容に問題があるとされた。この調査について川島教授は、皮膚科医とがん専門医の協力体制により、治療の質の向上が課題とまとめた。
(情報提供元:エスタイル)

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