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空腹で記憶力アップ  東京都医学総合研究所が発表

2013年02月05日(火)17時00分配信 配信日:13/02/05 17:00 icon_view1042view icon_view1042view
■空腹で記憶力アップ  東京都医学総合研究所が発表

公益財団法人東京都医学総合研究所の平野恭敬主任研究員、齊藤実参事研究員らの研究グループは、空腹状態が記憶力向上に関与することをショウジョウバエを用いた実験により明らかにした。

アルツハイマー病や老化などによる記憶障害の治療は、クオリティ・オブ・ライフ(Quality Of Life)の向上にとって欠かせない重要なことであるが、効果的な治療方法は未だ確立されていないのが現状だ。

今回、研究グループは空腹状態にしたショウジョウバエは1回の学習で長期記憶が形成されるという過去の研究結果に着目し、その分子メカニズムを明らかにするとともに、血糖値をコントロールする物質であるインスリンが低下すると、記憶力が向上することをつきとめた。

これまで、「勉強は食前に行うと良い」など、記憶と空腹には関連性があると一般的に言われてきたが、科学的に実証されたのはこの研究が世界初となる。

研究成果は2013年1月25日(米国東部時間)発行の米国科学誌「Science」に掲載されている。

■空腹状態が記憶力向上に関与するメカニズム

動物が長期記憶を形成する際には、DNA上の遺伝情報を読み出すタンパク質であるCRBEが重要な役割を果たす。

また、CRTC、CBPと呼ばれる2つのタンパク質は、このCRBEを活性化させることがこれまでの研究で明らかになっている。今回の研究では、CRTCとCBPをそれぞれ阻害したショウジョウバエを用いて、満腹時と空腹時では長期記憶の形成にどのような違いがあるのかを調べる実験を行った。

その結果、満腹状態のショウジョウバエが複数回の学習を経て長期記憶を形成する場合は、CBPが重要となるがCRTCは関連性が少なく、逆に空腹状態のショウジョウバエが1回の学習で長期記憶を形成する場合はCRTCが重要であることがわかった。

これには、CRTCを細胞質内に留める効果があるインスリンが関与していると考えられる。満腹状態では体内のインスリンの分泌量が上昇するため、細胞質内に残ったままのCRTCは長期記憶形成に関与しないが、空腹状態ではインスリンの量が低下するため、CRTCが細胞核に移動し、CREBと結合する。

研究グループは、将来的にはCRTCの活性をコントロールする新薬を開発し、記憶力の改善につながる可能性もあるとして、今後もこのメカニズムの解析を進める方針だ。
(情報提供元:エスタイル)

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