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ケアネット 医師に「ヒヤリ・ハットとその報告」に対する意識調査を実施


医師・医療従事者向け情報サービスサイトを運営する株式会社ケアネットは、医師1,000人に「ヒヤリ・ハットとその報告」に対する意識を調査しました。
この調査は、日本医療機能評価機構が平成24年12月に公開した「医療事故情報収集等事業 第31回報告書」において、平成24年7月~9月に報告された医療事故情報が814件で、その内訳が報告義務対象医療機関から726件、参加登録申請医療機関(任意で参加している医療機関)からは88件の報告であったことに基づいて、行われています。
調査ではまず、過去1年間で診療における“ヒヤリ・ハット”の経験を「週に一度」「月に一度」「半年に一度」「年に一度」「なし」から、最も近い頻度で選択してもらいました。
「週に一度」5.7%、「月に一度」26.3%、「半年に一度」32.6%、「年に一度」20.4%、「なし」14.4%
となり、3人に1人が月に一度以上ヒヤリ・ハットを経験している事が分かりました。また、どのような場面で経験したかについては、
「薬剤の処方・投与」56.3%、「治療・処置」36.2%、「転倒・転落」17.6%、検査9.8%
となりました。
■報告「する」「しない」の理由とは
では、“ヒヤリ・ハット”を経験した場合、医師は報告をするのでしょうか。その有無を調査したところ、全体の 41.1%が「全て報告する」と回答し、約6割が「報告しないことがある」と回答しました。
そこで、「報告をしない理由」について聞いたところ、全体では
「レポート作成に手間がかかるため」46.0%
「院内に報告の仕組みがないため」 23.0%
「報告しても事故予防に役立たないと思うため」19.4%
となりました。また、勤務施設別で見てみると「報告義務医療機関」では
「レポート作成に手間がかかるため」66.3%
「院内に報告の仕組みがないため」 2.3%
「報告しても事故予防に役立たないと思うため」23.3%
となりました。また「診療所・クリニック」では
「レポート作成に手間がかかるため」18.5%
「院内に報告の仕組みがないため」 59.9%
「報告しても事故予防に役立たないと思うため」12.7%
と、勤務施設によって異なることが分かりました。
手間がかかると言われている「レポートの作成方法」ですが、
「紙ベース」44.9%、「電子化された報告システム」32.3%
となっています。
電子化システムの導入については、一般の病院では 26.5%、「参加登録申請医療機関」では 60.2%、「報告義務医療機関」では 70.1%となりました。「ヒヤリ・ハットを報告しない理由」を聞いたときに、「報告義務医療機関」では、66.3%が「レポート作成等に手間がかかるため」と回答していたことから、電子化によるレポート作成がかえって面倒になっている状況を招いていると言えるようです。
(情報提供元:エスタイル)
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